スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ドラゴンに首ったけ2

その2
登場人物紹介
ブラッド:七種の竜の血を持つ生粋の雑種ドラゴン。竜族の中では最弱に近い。むっつり。へたれ。
クー:ブラッドに仕える執事。割といい性格をしている。ちっぱい。階級は大佐。
リュミス:竜族最強≒世界最強。一人で大陸を沈められる。ブラッドの許婚。今回は出てきません。
ルイズ:なんかよくわかんないけど虚無とかいうのらしい。本来であればツンデレ。ちっぱい。
コルベール:最近額が……



「…………」


皆が無言の中、つい、と事を終えた(と思っている)ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが離れようとしたが、その後頭部をがっ、とブラッドの左腕がつかんだ。当然、ルーンなぞ浮かんでいない左腕で。


「!?」


思いもよらぬ反撃をうけて混乱気味のルイズを尻目に、ブラッドは徐々に唇の間から割って出した舌でそのルイズの薄い唇を撫でていく。右腕は背のマント越しにルイズの薄い背中を撫で摩る。
ようやく自分が何をされているのか理解したのか暴れ始めるルイズを、ブラッドはその数多くの女を押さえつけてきた技と人外の膂力で押さえつけて抵抗を防ぐ。

そしてやがて息苦しさを覚えたのか口を割ったルイズに舌を差し入れ、遠慮なく口腔を蹂躙する。男女間の力の差を感じて入るだろうに、それでも必死で抵抗を行うルイズの思いをまったく無視して、歯茎からそのとがった八重歯、奥の親知らずに届けとばかりにブラッドはルイズのおくを嘗め回した。経験の少ない処女のルイズにとって、それは奥まで犯されたようなものだった。そのあまりのショックで意識をが遠のいていく。
くてり、とルイズの体が脱力する。ふんふんと口と口を合わせたまま、甘い鼻息だけを漏らすようになってそれでもなおもブラッドはルイズを離さない。


「……んっ、んん……んっ」

やがて、ルイズの漏らす唾液が川のように制服の前面をぬらして初めて、ブラッドはルイズから唇を離した。
当然完全に脱力したルイズは立つこともままならず、その場に崩れ落ちそうになったのだが、そこはしっかりとブラッドが抱きしめたので地面に落ちることはなかった。

ルイズは、完全に気絶していた。




(「つまり、男性のほうとならばコントラクト・サーヴァントを行ってもいいのですね?」
「そういうことをいっているのではありません! 彼もエルフの協力者かもしれないことには変わりありません」
「いいえ、仮にあの少女がエルフであろうと、どうやらあの男性に忠誠を誓っているようです。そうであれば、彼を使い魔にしてしまえばどちらの力も労なくしてトリステイン王国に取り入れることができる」
「その忠誠が見せ掛けでないとどうやって証明するのですか!」
「では、見せかけであるという証明は? どちらも結論が出ないのであれば、すでに呼んでしまった以上彼のような貴族に対して非礼をとることはできません。それに、失敗しても失われるのはこの身一つ。いざというときは私の一命をかけて責任を取りましょう。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの名に懸けて」)


詭弁である。詭弁であった。
ろくに現実も知らないがプライドだけは一人前ともいえるルイズの言葉だったが、今まで殺人と研究以外の物事に力を注いだことのないある意味生粋の学者であるコルベールに、その貴族社会で陰口ばかり叩き込まれ、鍛え上げられたルイズを舌戦で打ち負かすことはできなかった。
ゆえにしぶしぶながら、あの貴族の青年との契約を認めたのだが……


「(ああ、ミス・ヴァリエールは本当にその身で責任を取ったんだなあ)」


目の前でいきなり進級の儀式がエロイ行為になってしまい、思わずそんな数分前の出来事を回想してしまうコルベール。
崩れ落ちそうなルイズを支える青年が、口を開いたことでようやく正気に戻った。



とりあえずキスを終え、ブラッドがつぶやく。


「よく見たら、子供だった……」
「…………ロリコンは犯罪ですよ?」


即座にクーのツッコミが入った。
執事兼突っ込み役だけのことはある。

気まずそうにブラッドはせきを一つして、仕切り直しを図った。


「ゴ、ゴホン………さて、いきなりだったが、これは生贄志願だと思っていいのか?」
「殊勝ではありますが、いくらなんでも人間一人って言うのは、貢物にしてはしょぼすぎますよ」
「まあ、ねぐらを探さないことには物をもらっても困るのは確かなんだが」
「ですね。とりあえず、よさそうな山を見繕いに行きましょうか」


その言葉を聞いてようやくコルベールは現状を理解した。

生贄なぞというわけのわからん言葉が出てきたものの、こいつらヴァリエール嬢をつれて、完全にこっちを無視してどっか行こうとしている、ということに遅まきながら気がついたのだ。
いくらルイズが責任を取るといっても、ここで教え子が拉致されようとしているのを放置するほどコルベールはすれていない。そのため、戸惑いながらも彼らに声をかけた。


「お、お待ちください、そこの方」
「ん?」
「あの人間、何か我々に言うことがあるみたいですね」


いきなりぜんぜん気を払っていなかった方向から声をかけられてきょろきょろと見回すブラッドをクーがさりげなくコルベールのほうに誘導する。
料理以外は欠点のない、ほぼ完璧な執事だけあって、主人のサポートはお手の物ということだろう。
だが、それすらコルベールには気に入らない。貴族たるもの、誇りを持つべきだ、と信ずるがゆえに。


「あ、あなたは……メイジなのですか?」
「メイジ?」
「確か……魔法使いのことだったと思います。そういえば私は魔法使えますけど、御主人様って魔法使えましたっけ? あんまり使ってるとこ見たことないんですけど」
「……一応な。血のせいか不安定で制御できないこともあるんで、あんまり使いたくないんだ」


魔法を使えるメイジが、魔法をほとんど使えない貴族に仕えている。
まあ、世情不安定で傭兵や盗賊に落ちぶれるメイジが出る昨今の近状からすればないとはいわないが、それにしても制御もできないとはよほど甘やかされて育った大貴族のようだとコルベールは考える。

まあ、国王すら無視できぬ勢力を持つ公爵家の令嬢であればろくな魔法を使えなくても一応貴族として認められるという実例が今目の前にあるのだが、それにしたって真面目に勉強すらしないとは。
おそらく、小さいころからそのようなものなど必要とされず、その時間をただただ遊んで暮らしていたのだろう。この様子では魔法学園にすらいったことはあるまい。

確かに優れた魔法の腕前は貴族として必ずしも必要とされるものではない。文武両道を掲げているヴァリエール家や、優れた軍人を多数輩出しているグラモン家などはさておき、普通の大貴族に必要とされるのは、領地の経営能力である。それさえあれば、魔法なぞ使えなくても確かに能力的には可能である。
大貴族であればあるほど、多数のメイジを使うこと、つまりそれらをうまく動かす能力こそが求められるものであるのに、個人としての魔法能力に評価を偏ったトリステイン王国が必ずしも正しいとはかつて戦争において時には司令官として、時には一兵卒として戦ってきたコルベールは思っていない。

しかし、それでも魔法はメイジの、貴族の誇りなのだ。
領地の運営能力のみが求められているのであれば、大多数の国の貴族が皆メイジであることの説明がつかない。
人より優れた素質を持つものは、それを磨いて他者に還元するべきである、というのが一般的な貴族の思考だ。

まったく努力もしないで、それでもやればできるなぞと言い出すような他国の輩にこの学園のだれよりも努力家の生徒、ヴァリエール嬢を預けるわけには教育者としていかなかった。
心なしかきつくなった目線で次の質問を投げかける。


「で、では……どこの国の貴族で、爵位は何なのですか?」
「……そういえば爵位もないですよね。一つぐらいとっておいたらどうですか? 箔が付きますよ」
「ルクルにいえばなんだかんだで貰えると思うが……別にいらんだろ。どの道巣以外で人間なんぞに会うことなどめったにないしな」
「御主人様、基本的に引きこもりですしね」
「引きこもりっていうなっ!」


爵位なし=平民、というわけではない。ルイズだってコルベールだって一応貴族だが、爵位は持っていない。
一族の当主であれば勿論持っているだろうが、それ以外の者であれば貴族であっても爵位は持っていない、というのは決しておかしなことではない。

だが、魔法もろくに使えず爵位も持っていない。これで確定した。
まぎれもない馬鹿息子だ。

要はどこかの大貴族の末っ子として、はじめから当主争奪レースから外れていたために、ある程度の財産を分け与えられた後は辺境に押し込められているのだろう。
確かに、貴族の三男四男が爵位をえることは当代当主に疎んじられていればかなり難しい。何せ、ろくに財産を分与してもらえないのだ。土地がなければ王国に税を納めることも出来ず、その結果として爵位も得られない。そうであれば、娘しか持たない貴族の婿養子になる以外には、軍隊でよほど活躍しなければ爵位など得られない。
しかし、それならば魔法を勉強し、国の役に立つために努力するべきなのだ。

そんなことも行わないで、爵位なぞ父兄に言えば貰える、なぞ気が狂っているとしか思えない。
こんなふざけたやつを、この誰よりも努力してもなお、魔法が身に付かない哀れな少女の使い魔なぞにできるはずがない。
ヴァリエール嬢が気絶していて幸いだ。この場で契約を破棄させよう。

確かにサモンサーヴァントは聖なる儀式。例外は認められません。ということに対外的にはなっているが、それは学生が自分の使い魔に不満を持ったときに安易に交換を求めないためのものであって、別にこれ自体が特別な魔法とかそういうものではない。
始祖ブリミルの代から伝わる由緒正しいものではあっても、これはあくまで庇護の対象を持たせることでメイジとしての誇りと自覚を促すための進級試験である。そうでないなら、召喚と契約をわざわざ分ける必要なぞあるまい。サモンに成功しても、その対象が明らかに使い魔として向いていない場合や、主の手には負えなさそうな生物が出てきてしまった場合においては、教師の一存でその契約を破棄させることができる。いや、それこそが立会人たる教師の存在意義だ。
この儀式は決して一人のメイジの未来を閉ざすためのものではないと、この学園の教育方針を定める学園長からこの試験を担当する際にコルベールは言い聞かされている。


などと思っていたコルベールだったが、次の質問に対する彼らの答えがその推定をすべてぶち壊した。


「私はトライアングルメイジの『炎蛇』のコルベールです。あなたはヴァリエール嬢に胸を張って、自分はこういうものだと名乗れますか?」
「エンジャノ・コルベール? こいつは何を言っているんだ、クー?」
「さあ? 何かに怒っているようですが」
「……名乗ってみなさい! あなたは誰なのです!」


基本的にここハルケギニア世界においては、二つ名を持たぬ魔法使いなぞどの国においても一人前の扱いを受けない。
そのため、二つ名も持たぬものに対して「炎蛇」と名乗ることで心理的に重圧をつけるつもりだったコルベールの言葉だったが、人ではない彼らにはまったく通じなかった。むしろいきなり詰問されて気分を害していた。


「……人間なのになんか偉そうですね、こいつ。とりあえず、自己紹介しろってことじゃないですか?」
「何でいきなりこんな無礼な人間なんぞに。まあいいか、竜のブラッドだ」
「その執事をさせていただいています、魔族のクーと申します。ギュンギュスカー商会からの派遣社員ですよ。魔界産アイテムなどが御用の際はぜひともギュンギュスカー商会にご一報ください」
「……は?」


りゅう? 流……柳…劉…粒……竜!! 
コルベールは凍りついた。
教師として、竜という存在は知っている。
かつていたという韻竜という存在は、人の似姿を取ることすら可能だった、ということも。

魔族とかギュンギュスカー商会とか突っ込まねばならないことはいくらでもあるものの、落ちこぼれの少女が召喚したものが落ちこぼれ貴族もどきだと思っていたら、竜だというのだ。そういえば、ブレスとか何とか言っていたような。もし、本当なら自分はいきなり竜に喧嘩を売ってしまったのだ。

そのあまりの予想外の返答に、本当かと確認するまえに言葉を失ってしまうコルベール。再起動には時間がかかりそうである。
そんな反応に慣れているのか、二人はもはやコルベールに興味を失ったように視線をはずして二人だけで話し始めた。


「やっぱ最近の竜が人化できるってこと、知ってる人もいるようですが、世間的には知らない人の方が多いんですかね~」
「う~む、いちいち説明するのはユメのときで懲りたし、やっぱこれは問題だな。なにか世間にアピールすることを考えるべきだろうか」
「アピールって、いったいどうやってですか?」
「リュミスあたりがいきなり街中に飛んで入った後、かわいらしいフリフリドレス姿に変身して、歌って踊るのはどうだろうか?」
「リュミス様に言い出すときに御主人様の命が危ない以外は、儲かりそうですし賛成ですね」


そんなことを言い出せば、確実に殺されるだろう。彼女はブラッドにべたぼれではあるが、同時にプライドが高く、気も短い。
実際にプランが実現すれば人化できるということのアピールとしての効果は抜群の上に、話題性もあってそこらの酒場の歌姫では太刀打ちできないほどに人気が出て儲かるだろうが、あまりにリスクが高い。
そのことはブラッドもわかっているための冗談交じりの一言だったため、軽く笑ってあっさり放棄する。


「やっぱそこがネックなんだよな……まあいいや、とりあえず巣だな」
「ですね、あ、この娘はどうしますか?」
「一応生贄なんだからもって帰ろう。俺が持って運ぼうとすると潰してしまいかねないから、クーが運んでくれ」


もはや完全にルイズは生贄であると認識されていた。ちなみに、いまだに目を回しているが。


「はい、わかりました。しかし、やっぱり竜にならないと飛べないって微妙に不便じゃありません?」
「だが、竜の姿ならばさておき、人の姿をとっているときに飛行魔法なんて安定性のいる奴を覚えられる自信はないぞ。血のせいでやたらと力が不安定なんだから」
「混血って大変なんですね」
「まあ、たまにリュミスみたいに古代竜じゃなくても、せめて純血だったらなあとは思うよ。じゃ、いくか」
「はい」


クーがルイズを魔法で宙に浮かべる。杖も呪文もなしに浮遊魔法を行使したことで、先住魔法だ、やっぱりエルフだったんだ、などといった声が叫ばれるが、そんなものなど次の瞬間には吹き飛んだ。
ブラッドが、本来の姿に戻ったからだ。


タバサがシルフィードと名づけた風竜は全長6メイルほどだが、これは長い首やそれよりさらに長い尻尾を含めてとはいえ百メイル以上、とそのサイズには大人と子供以上の差がある。
何本も生えた鋭い角が覆う頭部は、それだけで人間一人分ほどの大きさを持っている。
背には巨大な翼を背負い、その航空能力を証明している。
鋭い牙が口内に並んでいるのが、ぬらぬらと唾液に日光が反射して鈍く光っていることから遠目からもよくわかる。
体を覆う皮膚はすべて分厚く硬い鱗に覆われている。
そのあまりの重量にひび割れた大地を踏みしめる太く長い後ろ足は一本で大木をも凌駕する太さと長さを持っている。
前足には、鋭く太い爪が恐ろしげに並んでいる。


完全無欠最強最悪なすべての生物の頂点に立つ王の種族、ドラゴンがそこにはあった。
火炎竜、電光竜、暗黒竜など七つの血が混じっているからか、その姿は美しくも禍々しい。
ハルケギニア世界によく存在する風竜や炎竜などはおろか、伝説上の存在である韻竜と比べても圧倒的に大きく、根本的に違うその存在感にほとんどのものが逃げることも忘れて腰を抜かす。
たった一人で一つの王国を焦土に変えることもできる、魔王や神と並んでの世界の支配者を見ては、それも当然だろう。



「り、りゅ、竜だーーー!!」
「使い魔が竜に変身したぞー!」
「ゼロのルイズが、竜を召喚しやがった!!」
「しかもでけぇ!! 何メイルあるんだよ」


一気に騒がしくなる。遠く離れているここにいても、学園の一部からも見えたのだろう。今回進級試験を受けていない2年以外のクラスや、すでに使い魔の召喚を終えて学園に帰還していた生徒たちなどの一部が大騒ぎしているのがここからも見える。


「それじゃあ、まずは私が先導しますね」
「ああ、なんかよさそうなところをあたってみてくれ」
「承知しました。では」


そして、その騒ぎに慣れているのか一切気にせず、ブラッドとクーと名乗った二人は飛び立って行った。未だ、気絶したままのルイズをつれて。


        ピキーン 

トリステイン学園 のステータスが更新されました。
ブラッド と クー が離反しました。
ルイズ が誘拐されました。



その3へ

Comment

誤字報告

生贄を送ってくるなんて愁傷ではありますが
生贄を送ってくるなんて殊勝ではありますが
非公開コメント

プロフィール

基森

Author:基森
蚕鳴や円禍と名乗ってたこともあります。

主に小説・ssなどを置いているブログです。

自前の本棚を持つのは初めてなので手探りでやっている程度のものですが、わずかばかりの暇つぶしにでもなれば幸いです。


メールは「kulukku106☆yahoo.co.jp」まで、☆を@に変えた上でお願いいたします。

そろそろ、非営利にならトップへのリンクフリーとか言ってみたり。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
カウンター
検索フォーム
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。