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悪の秘密結社乗っ取りマニュアル9

囚われの幼女奪還計画……?





さて、そろそろいい感じだろう。
いい加減にレンジャーどもの襲撃も激しくなりすぎてきて、これ以上行ったら怒り狂ったウィスキが出てきちまうぐらいになってきたので、そろそろ締めにしよう。

サトシの奴は十分に餌に混じった釣り針をピンクに食いつかせた。
いい加減これ以上待ってっと急ごしらえの仕込の粗がばれちまうかも知れねえから、竿を上げるとするかな。





とりあえず、周辺にいるほかの戦闘員どもを遠ざけた上で、サトシをピンクを監禁している部屋へと駆け込ませる。
息を荒げて突然入ってきたサトシにピンクはちょっとびびってやがるが、それもこれ見りゃ変わるだろ。


「桃香さん! これ、取り戻してきました!」
「え! ど、どうやってこれを!」


そう、俺がこないだ取り上げた変身ツールだ。
とりあえず、思考を誘導したサトシにピンクの変身ツールを渡しておき、ピンクに返すことにしたんだ。
これがねえとピンクも面白くねえだろうし……何より、希望もなしに逃げ出せない程度には痛めつけたはずだしな。

一応俺の手作業で爆弾仕込んでおいた(ウォッカにばれるわけにはいかんからな)が、そんなもんがあの不思議素材で出来たブツを壊すのに役に立つかどうかなんてのは解んねえから、ある意味こっからは賭けになる。
相手をわざわざ捕らえておいてもう一回賭けに出るなんて、自分でも間抜けなことやってんなあとは思うが、まあこの展開は必要だろうから、しゃーねーわ。

何といってもこの過程も楽しみの一つだからな。
遊びに手間隙惜しむぐらいなら、最初っからやらねーつーの。



「大丈夫です、まだここにいるリキュールは気付いていません。さあ、早くこっから逃げましょう」



気付いてるっての。
自分で言わしといてなんだが、サトシの台詞に笑いたくなる……それを言う奴の視界すら俺が操って受け取ってんだから、自作自演もいいところだ。
それに加えてそこらじゅうに仕込んだ隠しカメラでリアルタイムにいくつモノ映像を脳裏に浮かべている俺からすれば、ピンクが歓喜の表情でいることはよ~くみえてるぜ。

だが、サトシがどうやってとってきたのか、という質問をずらした事にも気付かなかったピンクは、その欺瞞にも気付かず、それどころかサトシを通して前に仕込んでおいた話題による誘導どおりの返事を返した。
駆け出そうとしたサトシを周囲にばれない程度の声と力強い引き手で押しとどめる。


「待って! この間、あの改造人間に捕まっていた子は?」
「あっ!」


そうだよなあ、ここにまだガキが監禁されてる、ってことを監禁されてた間に事前にサトシから聞いていればそりゃ正義の味方なら見捨てていけねえよなあ。
そりゃ、助けなきゃ、って思うのは不自然でも何でもねえ。

正直、このまま逃げるパターンについても考えてはいたのだが、都合よく面白い方を選択してくれたもんだぜ。
多分腰に正義の味方になる道具が帰ってきた途端に、こいつはもう正義の味方気取りなんだ。


これでも鞭打ちとか、眠らせないよう部屋に轟音流し込んだりとか、そんなにひどくない程度の薬物注入とか、ピンクが想像できる範囲ぐらいでの『悪の組織の尋問』をいろいろやってたんだが、いい具合に正義の心が残ってたみたいだ。
ここ数日だいぶん弱らせたつもりだったが、まだマリモを出さなかったことが功を奏したのか、逃げ出したい気持ちよりも正義の味方としての使命の方が勝ったっぽい。

よし、計画通りって奴だな。
当然、それに対する俺の駒の返答も想定内だ。



「……大丈夫です、この時間帯なら救出できます。こっちについてきてください」



実にスムーズ、俺の『ピンクを好きになれ~』って演技指導が聞いてるのか、実に真に迫ったいい演技をする奴だ。
なんか随分いい思いしてたみたいだから、事が終わったらどうしてやろうか、と思ってたんだが、この功績を考えれば生かしておいてやってもいいかもしれん。

が、ピンクの返答でちょっとだけ想定外のことが起きた。



「うん、お願いね、勇人君」



多分、皆も驚いただろうが、俺が一番驚いている。
……サトシじゃなかったのかよ。

まあ、そういえば勝手に俺がつけた名前なんだから違っても無理はないんだが、もうあまりに顔となじみすぎててほとんど本名だと思い込んじまってたぜ。
勇人なんてなんか微妙にヒーロー側っぽいじゃねえか……やるな、戦闘員二号。

……まあいいや。
俺は今後もサトシと呼ぶことにしよう。
明らかに勇人って面じゃねえよ、コイツ。
ビガチュウとか言ってるほうがお似合いだよ。
そうだな……名前が気に入らないので、事が終わったら電気ネズミ型怪人の素体として推薦してやる。



よし、処遇も決まったところで、じゃあガキのいるところに誘導するとしようか。





てってってーと二人が走りながら、それでも周囲を用心して進んでいく……実際は筒抜けなわけだが、本人らはさぞや真剣なミッションのつもりなんだろ。
まあ、発見させるつもりはないが全くいないってのも怪しまれるだろうと適当に配置したほかの見張りどもの監視の目を潜り抜けて、元レントゲン室だったガキの監禁場所までたどり着くのを見ておく。

多分、うまくいってる、と思ってんだろうねぇ……




じゃ、その希望を叩き潰す為にもそろそろ俺も出るかな。
先ほどここから出させたガキに続いて、俺もこの元院長室の自室から出て行く。
脳裏の映像はいい感じに続いているが、それを見ながらでも行動に支障はない。

そのまま、観測を続ける。

あ、辿り着いた……扉が破られそうだ。
いそがにゃならんな。



「こっちです、桃香さん」
「じゃあ、勇人くんは周りを警戒していて、私が扉を破るわ」
「解りました!」



その後、お約束の変身ポーズでレンジャーに変身したピンクは、予想通りの腕力を発揮してただの棒にしか見えない武器で扉をぶち破った……いや、別にそこまで厳重にロックしてあるわけじゃないから、鍵の部分だけ打ち抜けば普通に開くと思うんだが。
まあ、シールドルーム内の警戒が厳重だっただけにこっちもそうだと思ったんだろうな……修理すんのがメンドイから、サトシに開けさせればよかった。
まあ、部屋はいくらでもあるから放置でもいいんだが、あんま気分はよくねえよ。

まあいいや、とりあえず、中で待機していた幼女のスイッチ・オン!


「ふぇ……お、おかーさーん!」
「ええっ!」
「も、桃香さん、マズイですよ、泣き声があたりにっ!」



ベッドに腰掛けてボーっとしていた幼女だったが、俺からの合図に従って実に自然な感じで泣き出す……まるで、閉じ込められていたところ突然その扉を破って全身タイツの上に仮面を被った変質者に追い詰められている感じで。

まあ、普通に考えてピンクが正義の味方だと知らなかったら幼稚園児ぐらいの知能なら助けだとは思わないだろう。
むしろ、新しい怪人か戦闘員に見えると思う。


と、いうわけで突然現れたプリズムピンクを敵だと思い、泣き叫ぶ幼女、ってシチュエーションだ。

不自然……かなぁ? 多分ピンクは疑うことなく信じてると思うんだが。

ま、敵地にて助けに来た子供に大声を上げられている状態―――この場で取れる正義の味方の方針なんて限られている。

まず、無理やり連れて行って後で誤解を解くのが一つ。
そして……



「え、ど、どうして? 大丈夫、助けに来ただけだから」
「ふぇ~ん、あ~~誰か~~助けて~~」
「桃香さん! 多分そのスーツって見た目が俺ら戦闘員に似てるからじゃないっすかね? とにかく今は解除を!」
「う、うん、わかったっ!」



サトシに思いつかせた様に、その恐怖の元凶となっている変身スーツを解除させるってことだろう。
事実、それを見た蘭華は多少はぐずりはするものの、ぴたりと泣き止む。
まあ、俺が操作してるから当然なんだけど。

だが、それを見て安心したのか、ピンクは蘭華を怯えさせないようにゆっくりと手に持った変身ツールを腰のホルダーへ収めてしまう。
ま、妥当な対応だな……サッカリン入りのコーヒーぐらい駄々甘だけど。

変なスーツから突然美人のお姉ちゃんが出てきたことに真ん丸い目をぱちくりさせていた幼女も、そのお姉ちゃんがこっちに向かって笑いかけてきたことで安堵したのか、監禁されていた恐怖からか突然抱きつく。

俺が操ってる、って観点を完全に排除して客観視するならば、この時点ではまだピンクが味方かどうかわかんねえんだが、それでも女ってのは特だねぇ。
こういう絵面になってもあんまり不自然に見えやしねえ。

笑顔でガキ抱きしめてるとこなんて、いかにも正義の味方の救出劇って感じだ。
俺がおんなじことをやってもこうはいかねえぜ。

ま、やるわけねえけど。


だけど……残念ながら今の視聴者さまはそんな絵面には飽き飽きしてんだ。
つうわけで、脚本家の俺としては仕方がなくこういった方針転換をとらにゃ~なるまい。
今みたいなことしてっから、命取りになるんだってことをしっかりと教育してやるのだ。



「おおっと、待ちな、そこまでだ」
「っ!! あなたは!」
「た、隊長……」



つ~わけで、ばばんと登場、俺様だ!

もうこの距離までこれば監視もいらめえということで、能力すら使わずに現れた俺だが、まあ連中の驚くこと驚くこと。
そりゃこんだけ騒いでりゃ誰か来てもおかしくない、ぐらいは覚悟しとけよな、ピンク……それとも、たった一人のサトシっていう監視がそんなに信用出来ちゃうのかい?
ま、今回は天井裏の秘密通路を使っての登場なんで、真実サトシには発見できなかったんだけどな。


思わずサトシとガキを庇うような場所に立つピンクは、心底正義の味方だねぇ。
いや、まったく……反吐が出るぜ。



「おうおう、モノの見事に裏切ってくれちゃってまあ」
「隊長……自爆装置は解除させていただきました。もうあなたには付いていけません」



とはいえ、いきなりピンクをサトシの自爆でぼかーんとしちゃったら、こないだの焼き直しになるだけだ。
そいつは面白くねえんで、もうちょっとお芝居に付き合ってもらうかね。

ちなみに、本当にサトシの自爆装置は解除してある。
そうじゃねえと、蘭華を無視してピンクと正義の味方の本部に逃亡した際に同行できなくなる可能性があるからな。
それをわざわざサトシの口から聞かせたときに、完全にピンクが安堵の息を吐いたのを確認したから作戦の実行にはいったんだよ。
もう完全に釣れたってな。

だからこそ、爆破の危険を考えず、人質をも警戒せずにピンクは俺に向かって正義の味方らしい高圧的な態度を取れるわけだ。



「くっ! 秘密結社キラーアース所属の改造人間、リキュール!」
「あいよ、なんだい? お嬢さん」
「未成年者誘拐略取ならびに脅迫、拉致、監禁その他の罪で、あなたを逮捕します!」



そりゃ、相手からすりゃ元凶が丸腰で現れたんだから当然の反応だわな。
ここで下手に出ても調子付かせるだけってのはそりゃ当たってる。
お上の意を着て上から見下す正義の味方と、それを受けて慌てふためく悪役って役どころなのかねえ、ピンクの頭の中では。

だが、それも長くは続かせるつもりはねえ。
俺は見下すのは好きでも見下されんのは好きじゃねえんだ。
一旦は調子付かせておいてその足場から崩してやるのは好きなんだがな。


だから、まずはコイツの自信の源を奪い取ってやるよぉ!



「へえ? どうやって」
「くっ、馬鹿にしてっ! 変「させねえよ、蘭華ぁ」えっ!!」
「あっ! まさか能力で!」



俺の合図を受けて、ピンクの後ろで怯えるポーズを取り続けていたガキが、俺の叫びにあっけに取られているピンクを尻目にこっちに向かって全速力でダッシュしてくる。
そのことにあっけに取られた声を上げるピンクと、ようやく思い当たった、という風に声を上げるサトシ。

……マジでいい演技しやがるな、サトシ。
基本的な方針以外はサトシ自身の思考を使ってオートで動かしてたんだが、なんか使い捨てるのが惜しくなってきた。


この年頃のガキってのはどう考えてもそんなにスピードは出せねえはずなのに、妙にはしっこいもんだ。
完全に不意を付かれたピンクがそれを止めることは出来なかった……さっき抱きついたときに蘭華が抜き取った変身ツールが俺の手に渡ることも。



「お~よくやったな、偉いぞ蘭華。ほら、ワンと啼いてみろ」
「わんっ!」
「そんな……」



あわてて腰のホルダーに手をやっても、何にもない軽い空気の感触だけが帰ってくる。
そう、せっかくサトシ君が命を賭けて悪の改造人間のところから奪ってきてくれたのに、またもや変身というヒーロー・ヒロインの力を桃香ちゃんは無くしちゃった訳だ。



「あ……」
「ひひっ、驚いたか? そうだよなあ……助けに来たはずの子供に裏切られたんだもんなあ」
「ど、どうして……」



変身出来るから、正義の味方になったんだ。
だが、三日以上の飢えはその心に確かに楔を打ち込んだ。
それでもピンク―――いや、桃香が耐えられたのは今度はサトシが変身ツールを取り戻して逃がしてくれる、という一縷の希望を与えたからだ。
そして、それが適ったから、もう一度正義の為に戦えた。

だけど。
変身出来るように力を取り返したのに、正義のために人質を救おうとしたのに、裏切られたばかりか、またもその力を失ってしまった。
正義なんかにこだわってすぐさま逃げなかったばっかりに、またも監禁、牢屋の中へ逆戻りだ。



さあ、この状態で正義を突っ張れるかい?



「そりゃそうさ。悪の秘密結社の一員が、何もしないで無傷で人質をあんたの手に帰すとでも思ったのかい?」
「あ……ああっ…」
「くっ、リキュールの能力は……幼児等の洗脳だったんです、桃香さん!」



またもや俺の手元に戻った『正義の味方なりきりセット』をもてあそびながらそう答えてやると、桃香ちゃんの顔に絶望の色が宿ったのがよ~くわかる。

こんな幼い子が俺の魔の手に落ちたことに絶望してんのかな?
それとも、またもや正義の味方になれなくなったことへの喪失感?
またつかまったときとおんなじ展開になりそうだ、ってあの時のこと思い出した?
最初に会ったときから俺の操り人形だったんじゃあ、とまで考え付くほど頭よさそうには見えねえけど、顔色からするとひょっとするとそっちかもなあ。



まあ、どちらにしても、助けようとした人質に見事に裏切られたことは。

随分ショックだろうねえ。
随分揺らいだろうねえ。

思わず諦めて、座り込みそうになっちまう気持ちはよ~く解る。
「もう、ゴールしていいんだよ」って、思わずいっちまいそうになるくらいのいい表情してんぜ、桃香ちゃん。

だが、あんたはまだ正義の味方でいられるはずだ。
だって……



「桃香さん、こっちです!」
「勇人君……でも、あの子が」



まだあんたを助けてくれる味方がいるもんなぁ。
そうである以上、正義の味方としてはそれを振り払って諦めるわけにはいかないって寸法だ。

だからまだ捕まることを諦めずにそのまんま逃亡し、反撃を狙うことが出来る……そうしなければならない。
正義の味方なんだ、仲間を頼ることは美徳ではあっても恥じることじゃないんだろ?
諦めない仲間がいれば、自分だって奮起しなきゃいけないんだ。

ま、それこそが俺たち悪の組織との違いだな。



でも、気付いてるかい?
自分の近くには戦闘員……俺の手元には一般人のガキ一人。

この構図は、俺が廃工場でこのガキにナイフを突きつけたときとほとんど同じだ……俺は今ナイフだってあの時と全く同じ奴を尻ポケットに持ってるぜ?
出しちゃいないだけ、それだけの違いしかない。

つまり、俺は全く同じ台詞を言うことが出来る。
『ガキの命が惜しければ、降伏しな』ってな。

いや、あんたがそうしない限り、せっかくの獲物に逃げられた悪の改造人間が苛立ちまぎれにこのガキを殺すことは十分考えられんだ。

そういうことは、以前変身を解除してつかまったときにさんざん考えて結論出したんだろ?
イカレタ怪人からこの幼女を守る為に、わざわざ自分から悪党に捕まったって、もう忘れちまったか?



「ははっ、人質見捨てて逃げんのかよ! いいぜ、鬼ごっこと行こうじゃないか」
「勇人君……」
「とりあえず、今は逃げるんです桃香さん! もうあの子は、リキュールの手に落ちてしまっている!」



にもかかわらず、手を引っ張って逃げ出すサトシに思いっきりあの子を助けようと主張するのではなく、力なく反論してる時点で、もうお前は助けようとすることは諦めてんだよ。


つまり、その時点で正義の味方としての信念は一部揺らいでんだぜ?
後で助けるから今は犠牲になってくれ、なんてのは捕まる前のあんただったらいえなかったはずだぜ。
ま、俺はそれは正義の味方としては成長だとは思うし、世にはそういった『大事の為に小事を斬る』タイプの正義の味方は上のほうには大勢いるが、果たしてそいつを指摘したときあんたの自尊心は耐えられるかねぇ?



「ははっ、逃げろ逃げろ! 入り口は塞いであるし、部下どもも徘徊しているこん中で、いつまで耐えきれっかなあ?」
「っ!」
「桃香さん、今は我慢のときです! 挑発に乗らないで」



かくして正義のヒーロープリズムピンクは、俺が植え込んだままの台詞を繰り返すサトシだけを頼りに、この廃病院の廊下の角へと消えて行きましたとさ。


後に残るのは、あわただしく響く足音だけ。
だが、すでに要所要所に他の四人の戦闘員の配置を済ませてある俺は焦ることはねえ。

どの道ここはすでに全体が俺のラボとして改造済だ。
そりゃ~もう、捕虜が逃げ出したときの為の各所の封鎖装置なんてのも山ほどある。
金なら怪人どもより、へたすりゃ幹部連中よりあるんだからな。
鋼板入りの障壁すら素手で壊すパワードスーツを身にまとった超人を捕らえておく事は流石に出来なくても、ちょっと腕の立つ女の子と戦闘員たった一人を逃がさないようにするぐらいは造作もない。

だから、この結果の見えている、俺の手順の一つである鬼ごっこが始まったことに、足元にすがり付いてくるガキの頭を撫でながら、とにかく湧き上がってくる笑いが止まんなかった。




あ~~~~~~~~、楽しいぜ!




能力で心を操る俺にとって、能力なしでおんなじことができるってのは、それが出来ねえ奴とは多分また違った喜びがある。

能力でお気軽に出来ることが、こうやってゆっくりゆっくりと鑢で削り取っていくみたいに手間かけてやっていくことが、たまらなく楽しい。
勿論、サトシや蘭華なんてのは俺が能力で用意したわけだが、桃香の心を弄っていない、ってだけでそんな退屈な日常ががらっと変わりやがった。

やっぱこういった趣味は、手間を楽しむもんだよ……効率求めるだけだったら、わざわざレンジャーなんかに手を伸ばしてる暇あったらウォッカの洗脳進めりゃいいだけだしな。
多分、この楽しさは世の日曜大工を楽しむお父さん方と同じ方向性じゃねえかと思うわけよ……今度はホームセンターでも襲おうかね。




さあて、俺のペットの猟犬つけたままこんな狭いお家の中で必死で隠れている、哀れな哀れな子羊ちゃん。
あなたのおうちはどこなんだろうねえ?



次の話へ

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プロフィール

基森

Author:基森
蚕鳴や円禍と名乗ってたこともあります。

主に小説・ssなどを置いているブログです。

自前の本棚を持つのは初めてなので手探りでやっている程度のものですが、わずかばかりの暇つぶしにでもなれば幸いです。


メールは「kulukku106☆yahoo.co.jp」まで、☆を@に変えた上でお願いいたします。

そろそろ、非営利にならトップへのリンクフリーとか言ってみたり。

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