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悪の秘密結社乗っ取りマニュアル1

悪の組織、と一言でいってもいろんなところがあるものである。
地道に正義の味方さえ倒せばきっといつかは世界征服が出来る、とか思い込んじゃっているところだとか、はたまた自分のところで改造した怪人に反旗を翻されちゃって、その処理にて一杯の所、変り種では政界に進出して真っ当な手段で独立国を作っちゃったりだとかかねえ。


まあ、古今東西いろいろな所があるものだけど、うちはその中でも中堅だ。
いや、むしろいまどき幼稚園バスジャックなんてことをしている時点で弱小といわれてもおかしくないかもな。


「ガハハハハハ、どうした警察どもーー! そんな程度か!!」


そんなわけで外でパンパンと散発的に発砲してくる連中を相手に最高に頭の悪そうな声を上げているのが烏ベースの怪人、キラクロウ。まあ、いろいろ角だとかレンズだとかついてるが、下半身マッチョの人間大カラスだと思ってくれりゃー間違いはねえ。

で、そんな鳥人間コンテスト優勝候補を筆頭に、黒っぽいタイツだとかで全身を覆っている一団が我々秘密結社キラーアース極東方面日本支部関東エリア担当第二班。
現在ファンシーなカラーで外装されてる幼稚園バスの中に絶賛立てこもり中である。

つい先ほどまでは泣き喚くガキどもがうるさくて仕方がなかったのだが、睡眠ガスがまかれた今は静かなものである。
それゆえに、外でひたすらに騒いでいるキラクロウの声が余計に響いていらっ、と来るのだが。

ただ、今アイツがやっていることが間違っている、というわけでもないのが難しいところである。
今回の作戦の内容は実にシンプル、武力でもってこの上層階級のお子様方御用達の幼稚園バスを制圧し、それを元に組織の運営資金となる身代金を要求する、というものだ。
外に出て自身の力を誇示するのは無意味じゃねえから難しいもんだ。

涙が出てしまうほど単純な作戦ではあるが、まあ常人の数十、数百倍の能力をもったキラクロウがいる為、このまま力技でも成功してしまうかもしれない。
まあ、成功したらしたでかまわないんだが、多分上手くはいかないんだろうな……

そんなことを考えていると、あの脳筋馬鹿以外の声が久々に響いた。
眠らせた幼稚園児どもを一人一人チェックしていた戦闘員の一人からの声だ。


「リーダー、見つけましたよ」
「おうおう、やっとか。まったく、アジア人ってのはどいつも同じ顔に見えるから困る」


俺に呼びかける声を聞いて、座り込みながら噴かしていたパイプを腰の入れ物に戻して立ち上がる。
あ、リーダーってのが俺のことね。

いわゆる雑魚戦闘員達の現場指揮官、それが俺ことリキュールだ。
まあ、要するに怪人の周りのにぎやかしの中で一番偉い奴だと思えばいい。
外見はその他の雑魚どもと全く一緒なのでどうせ部外者には区別はつかねえし。

え? キラクロウ? アイツに現場指揮とかできるわけないじゃん。
怪人ってのは基本的に常人以上の能力与えられてるもんだから、敵はおろか味方においても他を見下してる。戦闘員なんて消耗品ぐらいにしか思ってないんじゃないか?

その意見には賛成だが、だからといって無駄な使い方をするなんてのは愚か極まりないってことで、うちの組織では俺みたいな別機能特化の改造人間がこういった現場には配置されている…………嘘だ。
本当は戦闘員以上怪人未満の改造人間の権限を使って、こっそりキラクロウの作戦にもぐりこんだだけだ。
まあ、先に言った戦闘指揮という役割は十分果たすつもりなので、見つかったとしても文句を言われる筋合いはないが、ミスったとしても責任は全部キラクロウに行くから気楽なもんである。


あ、ちなみに俺のリキュールって言うこの明らかに酒から取ったとしか考えられない呼び名はいわゆるコードネームって奴で本名は別にあるんだが、何故だかうちみたいな悪の組織って奴はよくこういった呼び名で呼び合うよう指導されることが多い。
まあ、ばれないように用心するってのは何にも考えないで本名でれっきとした犯罪行為をやるよりはましだとは思うが、もうちょっとましな名前はなかったのか、と毎回言いたくなるね。
これも厨二病ってやつかねえ。

そんなことを思いながらあらかじめ用意していた写真とがきの顔を見比べていると、即座に雑魚どもから野次が飛んだ。


「リーダー、そもそも人の顔覚えないじゃないですか……」
「あー、うるせえうるせえ。で、こいつが御光院のご令嬢、ってガキか」


ぶん殴るのも面倒になって余計なことを抜かした奴はそのままに、そいつが見つけたがきを奪い取ってよく確認する。

ああ、間違いない、こいつが御光院蘭華とかいうご大層な名前のガキ。
こいつが今回の作戦の裏ターゲットだ。
というか、三十人ぐらいのガキばかりが倒れているこのバスの中にもよく見りゃこのガキみたいな金髪は一人しかいなかった。

もっと早く見つけろよな、といった感じで雑魚どもを睨みつけると、何かを期待したような目が。
何でこんなに欲情に滾った目をしてるんだ、こいつら? 

…………ああ、そういうことか。



「よし、じゃあこいつ以外好きにしていいぞ。ただ、外傷残すような形にすんなよ、めんどいから」
「うっす、もちろんっす」
「ぅっしゃー、脱げやコラーー!!」
「ひゃははははー、胸デケぇ!」



やれやれ、下っ端連中はがめついねえ。
まあこれぐらいしか役得がないといえばそうなんだが、バスの中にいた若い女の運転手に保母っぽいやつ、そして保護者っぽい若めのオバサンにいっせいに群がる雑魚ども。
催眠ガスで眠ったままのそいつらは、あっというまに剥かれ、半裸の男供の海の中に飲み込まれていく。
ま、押さえの聞かないガキどもがやることっつったら食う寝るヤるぐらいしかないわな。
三人しかいなかったらさぞやヘビーローテになるだろうが、まあその辺は頑張ってもらうしかない。


俺はそれに参加しないで、離れたところからチラッと見ているだけだ。

俺たちは、悪の組織だ。
人質を無事に帰してやる必要なんぞないし、蛮行に胸を痛めることもない。

誘拐されれば男は殺され、女は犯されるのが定番ってもんだ。ぎゃーぎゃー抜かす奴は、警察にでも入ってから出直してきやがれってんだ。


「まさか幼稚園児とやれるなんて、悪の組織に入ってよかったーー!!」
「ショタっ子、ハアハア……」


……とはいえ、いくらなんでもストライクゾーンが広すぎる気はするがねえ。
まさか幼稚園児に襲い掛かる戦闘員がいるとは悪党を自負する流石の俺にも予想がつかなかったわ。
かわいそうとかそんな理由じゃなく、ただ単純にガキ相手によくおっ立つなあ、っつう関心に近いんだが。
日本人はロリコンが多いってのは本当だったのかよ……世も末だねえ。

まあ、そんなに好きなら犯罪者になってまで夢を適えたんだ。好きにすりゃいいさ。
ロリコンだろうがマザコンだろうが、俺の駒の志願者にはいつでも門戸を開いている。
それなりに働いてくれるってんなら、ロリコンだろうとスカトロマニアだろうと文句は言わんよ。



亡者の狂乱、とかタイトルつけたくなるほどはしゃいでいる連中を見て、やれやれだぜ、と思いながらも唯一手を出されないように胸元に確保したこのガキの素性を思い出す。

確か、旧財閥系の御光院家の末娘。
上の兄達とは年が離れて生まれた為に随分甘やかされて育てられたらしい。
まあ、いかにも生意気そうな面してやがる。

実家さんが大きいらしいからこいつ一人でもそれなりの身代金が取れるのは分かっているが、それだけじゃ俺がわざわざ失敗確定フラグをびんびん立ててるこの作戦まで出張ってきた能がない。


このガキの親御さんは、今俺の周りで犯されてる連中とは一桁も二桁も違う、文字通り桁違いのお金持ち様だ。
今回はたまたま「きょーいく上の理由」とかいうののために幼稚園バスなんぞに乗ってたが、今後は防犯のために護衛が山ほどついたリムジンで送り迎え確定、誘拐してもう一度なんて絶対不可能、って感じだろ……つうか、今回こんな無防備な状態で大物の娘が乗ってることの方がおかしいんだ。

そんだけラッキーの連続と誘拐なんて危ない橋渡ってリスク犯して、得るものが一回ぽっちり身代金貰うだけじゃあ、もったいなくねえ?
庶民一人の生涯年収ぐらいどんだけ搾り取ったって、別に堪える家柄じゃないんだ。
出来れば長いお付き合いをしてもらいたいものである……それも組織には内緒で個人的に。


普通に考えりゃ誘拐犯にはそんなこと期待するだけ無駄だ。
継続的に搾り取るなんぞリスクが大きいから、一回大金を要求してはいさようなら、を狙うんだ。
何回も調子こいてたら、たとえ普通のおうちさん相手でもたちどころにばれちまう。
いわんや御光院家やおや、ってやつだ。


だが、俺にはそれが出来る。
出来るからこそこんなとこまで来たんだ。


さて、それじゃ仕込みを始めますかっ、といったところで外から爆音が。
せっかくいい感じに舞台があったまってきたってのになんなんだよ、ということでスモーク張りをしてあるバスの内側の窓に顔を近づけて、外の様子を窺ってみると。

ありゃ、お客さんの到着だ。



「ぐああああーーー!!」



キラクロウがなんかピカピカ光る弾でどっかから撃たれてる。
普通の銃弾や砲弾程度跳ね返せるアイツが苦しんでるってことは、なんか「ナントカレンジャー」とか「ナントカライダー」とかいうのが多分来やがったな、「ナントカマン」かもしれんが。


うちみたいな悪の組織がいる限り、当然ながら正義の味方って奴もいるわけだ。
それは正義感にかられた個人からの出資でやっていたり、はたまた古代からの使命とかで遺産を食い潰して運営されて足り、はたまた公務員だったりするわけだが、共通してまあ前述のような形でやってくるわけだ。

目的は、世界平和。愛するものは夢と希望。正義の為に戦います、ってか。
くあ~~、かっこいいねえ……虫唾が走る。

周辺にあるそれなりの規模の正義の味方組織は、いくつかは上の連中が潰したらしいんだが、何せ連中、数だけは多い。潰しても潰しても、一匹見つけりゃあと三十匹いると思え、ってな具合に倒しても倒してもわさわさと沸いてきやがる。
確か前は恐竜戦隊。その前は航空戦隊。今度は未来戦隊とかか? 

とにかくうざったいが、まあ幼稚園バスジャックなんていうベタな作戦に正義の味方なんてことを名乗っちまう頭のおめでたい連中が出てこないわけがないよな。

やれやれ。
仕方がなしに胸に仕込んだ発信機のボタンを入れる。



「「「っ…………ッ!」」」



瞬時に、周囲を覆っていた喧騒が静寂へと変わる。
きつめの目つきの黒髪ショートの運転手の口を犯していた奴も、未だ目覚めぬオバサンの胸を舐めまくっていた奴も、ガキの後ろの穴を掘っていた奴も、すべてが一瞬で動きを止めた。
後に残ったのは、未だ犯された体制のまま眠る被害者様と、うつろな目で動きを止めた雑魚戦闘員どもだけだった。

改造によって得られた超人的な運動能力と、年端も行かぬ幼女を好きにする権利の対価は、己の体、ということをこいつらは知っていたはずだ。
本当の意味でそれを知ってたわけではないのかもしれないが、そんなことは知ったことじゃねえし。

踏み倒しは許さないぜ~。
こっちは悪の秘密結社だ、ヤクザなんぞの数倍取立ては厳しいし、そもそもこっちはそっちとの約束を必ずしも守るつもりなんてない。
他人を蹂躙したんだ、自分だけが例外だなんて、そんなことはいわねえよなぁ?


さて、おいしいおいしいご飯の時間は残念ながらここまでだ。
そろそろお出迎えの準備をしなければならない。
がんばってくれよ、諸君。


連中の頭蓋の裏に仕込まれた特殊な電磁波発生装置のスイッチをもてあそびながら、俺はその空白となった脳裏に命令を送信していく。
筋肉のリミッターを外すと同時にトランス状態になって特定の条件の持ち主には無条件に従うようにする装置は、アホで脳みそ空っぽな連中にこそよく効く。

ちなみに、今回参加した下級戦闘員には全員仕込まれている……まあ、本人らは知らんだろうが、どうせ使い捨てだからどうでもいい。
頭が軽くて自分が優れていると勘違いしていて現状に不満を持っている若者なんて腐るほどいるんだ。

整然と、黙々と連中は自身が行った陵辱の後を淡々と片付けていく。
服を着せ、体液を拭い、姿勢を直し、といった一連の動作をこう無表情で淡々と片付けられると、何処か不満げに見えるところが面白い。

やれやれ、後片付けは大事ですよー?
今からやる仕込みのことがばれちゃったら困るからねえ。
と、いうわけでお片づけが終わったら、俺の為にひとっ働きしてもらおうかねえ。



「「「キィー!!」」」



ああ、いい返事だ。
大脳皮質が犯されてるからそれしか声が出せないだけだけど。

そんじゃ、時間稼ぎよろしく、戦闘員諸君。


蹴散らされる為にゾクゾクとバスの外に出て行くのを見ていると、つくづく時間がないことがよくわかる。
それと共にゾクゾクと背筋に悪寒が走るのも感じる。
戦闘員全員出しちゃったから、あいつらがやられたら突入されちゃうんだよね。

俺は特化型だから戦闘には向いてない。
はっきり言って、五対一なんて一瞬でやられる自信があるね。


だが。
ああ、楽しいねえ、嬉しいねえ。
こういった綱渡りの瞬間が、生きてる、っていう実感をくれるわ。
やっぱ少しは自分の身が危険が及ぶような場所に置かなきゃ鈍っちまうわ。

安全な場所から他人叩いて遊ぶのには、もう飽きてんだ。
危険かもしれない場所で、出来る限りの安全を確保して、それでもなおいつ不慮の事態がおきるかも知れねえ、そんな緊張感が一番だよ。


じゃ、キラクロウがやられちまう前にちゃっちゃとこの可愛らしいフロイラインへのお仕事というか、内職を終わらせますか。
これ、上に許可とってないことだからキラクロウとかにもばれたら不味いんだよね、あいつが勝ったとしても。

がっ、と小さな頭を思いっきり左手で掴む。
うわ、柔らか! 
ガキなので頭蓋が薄いし頭皮がやわい。
なんか握りつぶしたくなってくるが、それをしてしまうと今回の仕込みが台無しなので、我慢することにするわ。



さて、このガキには一体どういった夢を植えつけてやりますかねえ……不自然に見られぬよう、はじめは僅かに、しかし時を追うごとに自分の中でじわじわと増えるタイプの感情が理想だ。

そうだな……ここはちょっとチートっぽいが、やっぱオーソドックスな好意にしとくか。
好意ってのは実に植えつけやすく、抜きがたい。
実に万能な感情だ。

いっつもこれだとスリルがねえからやらないけど、資金は大事なので今回は安全を取って外しずらいのにしとこう。

ガキの脳構造なんて、単純なもんだ。
どこをどう弄ればどうなるのか、何てのはそれ専門の改造人間である俺にはすぐ分かる。
それこそ奇声を上げてなんとかレンジャーに吹き飛ばされている連中の方がちょっとまし、レベルでしかない。
当然、同じような手法で自由意志を操れる。

で、俺の改造人間としての特技というか、能力がちょうど都合のいいことにそれだ……いや、都合のいいというか能力から逆算してこのガキに目をつけたんだ。

なんかちょっと白目剥いて泡吹いてるが、強すぎたかな?
まあ、壊れはせんだろうからこのままやってみっか。
めんどくさいっちゃめんどくさいけど、なあに、失敗したら失敗したでキラクロウの悪名が轟いていくだけだ。
それはそれで、組織への点数稼ぎとしちゃ悪いことじゃねえし、失敗びびって我慢なんておもろくねえからな。




さて、そろそろ自己紹介兼宣戦布告と行こうか。

俺の名前はリキュール。
秘密結社キラーアース所属の改造人間にして、こういった裏工作でキラーアースを乗っ取ってやろうと考えている洗脳、催眠特化の能力者だ。
聞こえちゃいないだろうが、覚えときな、正義の味方ども。



次の話

Comment

>変り種では政界に進出して真っ当な手段で独立国を作っちゃったりだとかかねえ。
それはすでに悪の組織ではないような気がwwwww
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プロフィール

基森

Author:基森
蚕鳴や円禍と名乗ってたこともあります。

主に小説・ssなどを置いているブログです。

自前の本棚を持つのは初めてなので手探りでやっている程度のものですが、わずかばかりの暇つぶしにでもなれば幸いです。


メールは「kulukku106☆yahoo.co.jp」まで、☆を@に変えた上でお願いいたします。

そろそろ、非営利にならトップへのリンクフリーとか言ってみたり。

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