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ドラゴンに首ったけ番外7・前編

おまけ劇場その7「ドラゴンなんてこわくない」


しばらくドラ首書いていなかったので、凄く書き方忘れてる。













どこからともなく湧き出てきたかっぽーん、とかいう音を聞きながら。
ぶっちゃけ、それほどきれいにはなっていないのでは? とブラッドは思った。


そもそも、それほどまで適度にざらついているわけではない人の肌というものは構造上、何かを洗う為のスポンジとしては適してはいないのだ―――例えそれが獣人や竜の化身、魔族であろうと。
そして、当然ながら纏っている衣装とてもそれ用に作られたものではないため、それらを全て覆して見事に役割を果たすというにはいささか不足していた。
そのため背後から擦り付けられてくるその女体は、洗っている、というには余りにすべらかに進んでいく……そのため、体を洗うという目的にかなっているとは到底思えない。
つまり、この行為は……


「(いや、まて。確かに俺の仕事とはいえそういったことばかりに考えをやるのはどうだろうか? この行為にも何か意味を見出してみるべきではないか)」


場所は浴室。
そこにいるのは主たるブラッドのほかに、彼の愛人とでも言うべき女が一人。
女にその体で己の汚れを落とさせながら、そんな『泡踊り』のエロ以外での意味などということを考える彼は、種族そのものが王侯貴族ではあるにしても微妙に感覚が変な、いかにも竜っぽかった。
そして、そんな彼の妙な思案など気付きもしないで、少女はひたすらに己の役目を果たそうと頑張っていた。









今日も今日とて、ハルケギニアに竜が飛ぶ。
諦念が蔓延りつつあるとはいえ、それでもまだブラッドがこの世界に表れてからまだ一年にも満たない。
竜による略奪の歴史がない世界における、ブラッド達の稼業は決して順風満帆に行っていたわけではなかった。

あるときは飛行生物に乗って上空の彼に挑んでこられたり、またあるときは貢物に毒だの精神操作系の秘薬を混ぜ込んでいたり、といった小細工は未だ多い。
そういったことはまったくの無意味であり、大空を舞う状態の竜を殺すことなど不可能。
竜を倒すのであれば、普段は貢物をしつつ、それで時間と油断を稼いだ上でその巣に攻め込むのが唯一の手段である、と周知するには未だ努力が必要なのだろう。

怪我が治り、ある程度気持ちの整理も済んだブラッドは、だからこそこういった日々の安穏さを大切にしようと、毎日頑張っていた。
まあ、その行為そのものが人類の恐怖の数字を挙げ、とある少女の憎しみを買っていたわけではあるのだが、それでもブラッドは頑張っていたのである。

と、言うわけでたまにはご褒美があって然るべきであろう。何か最近いいことでもないものか……たとえば、リュミスの訪問頻度が落ちるとか。
そんなことを考えながらも村を一つ焼き払って、ブラッドは帰路に着いた。
後に残ったのは、焼け焦げた田畑や家だったもの、そして恐る恐る家財道具を抱えて戻ってきつつあった人間だけだった。


「ふう、こんなものか」
「お疲れ様でした、ご主人様」


ある程度魔法で誤魔化しながら着陸したあと、ブラッドは人の姿に化身する。それが終わった頃に、クーも遅れて到着した。
両者の種族的な飛行速度の差を考えると、これは実に優秀な結果だった。
だからこそ、クーに声を掛けられたブラッドも反射的に答えを返した。


「いや、それほどでもない。クーこそよく付いてきたな」
「執事ですから」


そんな会話を行いながらも、足は止めない二人の前で、頑丈そうな扉が大きく開いた。
魔法による偽装と魔力による強化、そしてメイドたちとモンスターによる厳重な警戒がされているそれは、迷宮を通ることなくブラッド達の生活区へと直接つながった、いわゆる勝手口だ。
いや、主たるブラッドが通るに相応しいだけの風格と装飾が施されている以上、そう呼ぶのではなくこちらを真の玄関入り口と呼ぶ方が相応しいだろう。
実際に、迷宮へとつながった部分から誰かが出入りするということは迷宮を抜けてくる冒険者が最近はいないこともあいまって定期健診のときぐらいしかないので、そちらの方が実情にも合っているだろう。


大きく開いたその玄関扉を開けたメイドに手を上げてねぎらうと、そのままブラッドとクーは進む。
敷かれた深紅の絨毯は足が埋まるほど柔らかいが、今更その感触にどうこう言うほどでもない二人は、今日の戦果を楽しげに語る。
業務上のミーティングというにはあまりに気安げなそれは、しかし彼らにとってはごくごく当たり前の日常だ。



音もなく扉を閉めて後ろに回った己の執事のことを確認もせずにブラッドが上着から肩を外していくと、そこにはさりげなく手が添えられていた。
ごく自然に背後に回っていたクーは、主の動きを阻害しないように手を添えて、やがてブラッドの体から上着の重みを取り去る。肌寒い季節なので、と行く前に自身の手でブラッドに着せたジャケットを肩まで抜いた時点から手ずから脱がしていったクーは、そのまま手に受け取ったそれをハンガーにかけて近くの棚に引っ掛けた後、その動きのまま今度はするりとブラッドの正面へと回って潜り込んだ。
優しく背をなでながら回る手が、名残惜しげに離れた。


二つにくくった長い髪が一瞬ブラッドの体にまとわりつき、すぐにそれに纏われた女性らしい香りだけを残してはなれた。
ブラッドは棒立ちのまま何もいわない。故にクーも特に声をかけることはせず無言のまま、ブラッドの首元にちょっとだけ背伸びをしながら手を伸ばし、しゅるりと軽い音を立てさせて止め具の図柄に竜をあしらったループタイを緩めて外した。

ここまでは普段と同じ。
主に対するものというにはあまりに親しげで、恋人と行うものにしては随分上下がかっちりとしているものであるし、たまにクーの役目がユメになったりメイドの一人になったり、といった若干の変化はあるものの、ごくごく当たり前のブラッド帰宅の光景だ。
竜の姿で外出していたのだからわざわざ上着を羽織ったりする必要はないような気もする(直接巨大化するわけではなくあくまで魔法による変身に近いので服は破れないものの、竜の姿になれば当然服による多少の寒暖への防備なんてものは影響を及ぼさない)が、まあ竜族としてごくごく当然の身だしなみとそれにともなく従者の仕事だった。
魔族であるクーはさておき、ブラッドは人間に化身しているときは当然ながら寒さを感じるわけだし。


「しかし今日は寒いようだな」
「ええ、そうですね。どうやらこのあたりも積もることはほとんどないものの、ごく稀に雪は降るみたいですし、そろそろなのかもしれませんね」
「まあ、多少なら風情があっていいか」
「あんまり降るようでしたらメイドたちに雪かきさせなければなりませんけど」


雑多な意味もない会話をまじえながらもタイを傍らのワゴンに載せるまで作業を終えて、クーは振り向いた。
そしてそのまま五歩進み、気楽な格好になって座ってくつろぐブラッドの前で控えるクー。
何を命じられてもすぐさま応じられるように控えるその姿は、ひょっとすると略奪時以上に緊張したものにも見えた。


「さて……」
「…………」


基本的にそれなりに温厚なブラッドだが、この略奪から帰ってきた直後だけは別だ。
竜の姿を取ることでその強大な体に宿る野生が目覚めるのか、いつもはそれを押さえつけている理性の箍が弱くなり、乱暴な行為が多くなる。夜の生活練習を始めてから特にそれが顕著になったようだ。

何とか部屋にたどり着くまでは我慢しているようであり、それに応じてクーも何とか彼の気を紛らわそうと通路ではあえて会話を弾ませているが、もう本当に限界に近いのだろう。
この部屋に入ってから明らかに落ち着きをなくしている彼を見つめる。
自分にまっすぐに返された目の色には、淫欲の光が宿っているのが見えておもわず身がすくんだ。

勿論彼女だって、主が望むのであればいつでもその身を捧げる気はあった。
商会との契約が維持されていたときならばいざ知らず、今となってはクーの体も心も全てブラッドのものだ。
彼が望むのであれば無理な陵辱も受け入れる気はあるのだが、何分彼女の経験はそう豊富というわけではない。
何せ、商会より禁を解かれたのが一年もたたぬころなのだ。
彼が唯一の男であることはいうまでもないことであるが、その彼と肌を重ねた夜の数とてそこまで多いものではなく、ユメやフェイとは一桁以上違うだろう。
ブラッド一味としては加入時期の遅かったあの巨乳のエルフと大して変わらぬ程度にしか、抱いてもらっていない自覚はあった。

勿論、口に出してはいわぬもののその胸に抱く彼への気持ちは誰にも劣らぬ自信はあったくーであるが、技術の拙さとその体のこなれてなさだけは回数がなければどうにもならない。
ユメがその口技の拙さゆえに一度は戻されたように、彼の手加減なしの欲望を完全に受け止めるにはクーにも今しばらく努力と経験が必要だった。


「…………」
「あっ……」


その事実を理解してか、ブラッドはふいっ、と立ち上がり、クーに背を向けると扉に向かって歩き出す。
その歩みの先は、捕虜の牢だろう。その身の内をあぶる暴力的なまでの衝動を、どれだけ痛めつけてもかまわない己に対する敵対者で解消することに決めたようだ。
引き止めるような、縋るようなクーの声さえも聞こえない様子で荒々しく立ち去るブラッド。
理性が極限まで削減されている彼にとって、たとえ己の忠臣のことを理解していてもなお、それに気を配っている余裕はなかったと見える。


「はぁ…………」


若干の安堵と、それを遥かに凌駕する情けなさにおもわずクーは溜息を吐いた。
あれほどの決意にもかかわらず、このいつも通りの体たらく。
その普段の態度とは裏腹にブラッドの執事としての誇りをしっかり持っているクーにとって、彼に必要とされなかった、という事実は実に重かった。それが一回や二回ならば、その類稀な商魂と忠誠心で何とかカバーできたかもしれないが、実際にはもう実に二十数連敗を数えているのだ。
難度も勇気を出して自分を、と願おうにも、実際に言葉を口に出すことは出来ず、ブラッドに求められることもほとんどない。
その数少ない例外だって、きっと彼の我慢が限界に達してしまった為に手近にいた女を、ということで選ばれたのだ。クーはそう思っていた。

実際そこまで卑下するほどのものではなく、ブラッドがクーに欲情を掻き立てられて襲ったことだって決して少ないものではないのだが、己が何かを行った結果としてならばさておき、女性としての己の能力に自信のないクーはそうとは取らなかったようだ。
そして、それだけではいけない。


「よし、頑張りましょう。ちょっと……ううん、かなり、恥ずかしいけど」


彼女が望むすべては、主の為に。
ギュンギュスカー商会と離れ、それを己の望みとして語ることが出来るようになったクーは、だからこそその望みをかなえるため、ブラッドの為に今一度自分の勇気を振り絞ろうと気合を入れた。

Comment

No title

久しぶりの番外編はクーメインですか
相変わらずクーの献身は最高に可愛いな

No title

わーい、番外編だー。

クーかわいいよクー。
久しぶりにまた巣ドラをやりたくなりました。

後編も期待しております。

No title

巣ドラ外伝やっほーい!
今後とも巣ドラSSお願いします
その後のアンアンとかも気になりやす

No title

久しぶりに巣ドラのSSが更新されていることに気づいた俺。
とても歓喜しております。

これからも頑張ってください。
続きを期待しております。

No title

ヒャッハー
首ドラだー

ヒャッホウ!!

久々のドラ首がクーメインとは!!!
待ってましたとしかいいようがないですな!!!
キャラでバニブラ2の制作も決定しましたし!!!
いよいよ巣ドラリメイクとかなれば熱いんですが!

No title

まさか、軍が戦闘とも言えない虐殺で終了した後で竜に空中戦を挑む命知らずがいるとは…

クーはかわいいなぁ
非公開コメント

プロフィール

基森

Author:基森
蚕鳴や円禍と名乗ってたこともあります。

主に小説・ssなどを置いているブログです。

自前の本棚を持つのは初めてなので手探りでやっている程度のものですが、わずかばかりの暇つぶしにでもなれば幸いです。


メールは「kulukku106☆yahoo.co.jp」まで、☆を@に変えた上でお願いいたします。

そろそろ、非営利にならトップへのリンクフリーとか言ってみたり。

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