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狼狽王子様10

シスコンマザコンロリコンばっかな話











出番はないキャラクター達も、別に死んでいるわけではない。
出番がないならないなりに生きている。

というわけで現在ゼロことルルーシュの邪魔をするたびにウザクウザク言われている枢木スザクとても、きちんと処刑されかけ、ランスロットに乗って張り切ってテロリストを殲滅し、ユフィに会っていろいろあって騎士に抜擢されたりもしていた。
勿論基本的に彼は兵卒、すなわち下っ端なので上の立場であるクロヴィスのビビリの結果としてナナリー副総督就任等の様々な影響をルルーシュ以上にもろに受け、その経緯は微妙に違っていたりもしたが、まあ基本的な流れは変わっていない。

すなわち、

ルルーシュ登場
→作戦成功、高笑い
→ロイド「アラタナ 装備ガ 完成シタ! タダチニ 装備シタマエ」
→「うわー、なんてあのKMFは強いんだー!」
→ゼロ「チチィ、撤退だ」
→視聴者「ウザク死ね」

というループを毎回のように繰り返していた彼は、当然ながら行政特区日本がえらいことになり、その結果として東京租界が黒の騎士団に侵入されている現場にもシナリオどおりにたどり着いていた。
一度ユフィにゼロの正体を暴露されて大混乱するも、軍命によりそれ以上に混乱しているエリア11を収める為に彼女と別れて必死に戦っているさなかに入った通信。
それは彼の堪忍袋の尾を切るのに相応しいだけの威力を備え持っていた。



『僕は今、憎しみに支配されようとしている』



だから、ニヒルにこんな台詞を呟いたりするのも同じだった。
結果も大切だが、それは過程あってこそだ、と主張していた彼も、ゼロによる過程を全く無視した圧倒的な結果を見せ付けられてしまえば、宗旨替えをせざるを得ない。

ゼロの、否、ルルーシュの『凶弾』によってユフィが倒れた以上、自分がその仇をとらねばならない。
通信先に映った相手は、それを強く強く彼に訴えかける。



『スザク、早く来て! 
ルルーシュのところにいきたいんですけど、何故かシュナイゼルお兄様直属の騎士団が邪魔をして入れてくれないのです』



ルルーシュの放った魔弾は、余りにユフィの致命的なところを穿ったようにしか彼には思えなかった。


先ほどまで自分と共にエリア11にいたはずなのに今はブリタニア本国の宮殿前にて、そんな暢気な声を送ってくる主人の映像を見て、そのこめかみあたりに血管が浮かぶスザク。

ユフィはもはや、完全にゼロの……ルルーシュの手駒と化してしまっている。
その性で行政特区日本は大フィーバーして日本中のブリタニア人の混乱がすごい事になっているし、コーネリアは嫉妬に狂って今にも暴れだしそうだし、ギルフォードには同じ騎士として主の軽率をなぜ止められなかったと怒られるし、ダールトンは不敬にもある意味娘のように思っていた主君の妹の突然の結婚に硬直しているし……とにかく、すべてがスザクにとって悪夢にしか思えない。

ちなみに今回、彼は別に突如入ってきたショタ男にギアスとか言う超常の力の話をされたりなどということは微塵もなかったので、それが心を操る魔の力によるものだということは全く気付いていない。
だから、何がそれほどまでに気に食わないのかまでははっきりと言葉に出していえるようなものではなかったが、その心のどこかに不快感がよどんでいくのは否めない。



しかも、それによって日本の独立という手段を真っ当かつ人道的に成功させているようにも見えるからスザクにはさらに気に食わない。


彼の目的は戦場で戦果を挙げ、ナイト・オブ・ラウンズに叙せられ、ナイト・オブ・ワンまで上がり詰めてそのワンの特権である一部エリアの統治権の譲渡を皇帝から得る事で、平和裏に日本の独立を果たす事である。その過程として彼は、まさに運命というしかない経緯で彼と出会い、忠誠を捧げる事となったユフィとのロマンスもあればなーと考えた事もあった。

そしてそれは、要するにゼロとして名を馳せたルルーシュが行政特区日本なんて物をぶち上げたユフィと結婚して皇帝に認めさせるルートと、ほとんど同じである。




『どうして真面目にテロやってたかと思うと、いきなりこんな結婚詐欺みたいなまねに手を染めたんだ、ルルーシュ!』


ぶっちゃけそれは俺がやるはずのことだったのに何でお前がやってんだよー! という醜い男の嫉妬と、こんな事が出来るんだったらテロなんてやらないで最初っからこれやれよ! というなんともいえない混然とした想いは、おきらく極楽な惚気を延々と通信してくるユフィへのいらっと感ともあいまって、彼に衝動的な感情を呼び起こした。

具体的には、盗んだバイクで走り出した。




「ルルーシュ……僕達は友達だ。だから、まずは君の話を聞こうじゃないか。
でも、ただ聞くだけなら口の上手い君に誤魔化されるかもしれないからね」


だからとりあえず、ランスロットで迎えにいくよ。


自分の大事な作品を私事に使おうとする事を止めようとしたロイドを殴りつけた挙句に、大量にかっぱいだエナジーフィラーを担いで、スザクの余りに力の入った手に握られた発信棹により飛び立つランスロット。
その背に光る緑色の羽根は、スザクの人間離れした身体能力からなるデバイサーとしての余りの優秀者ぶりとあいまって、まるで鬼神のごとき迫力をかもし出していた。
お互い会い争っていたにもかかわらず、その余りの圧倒的な存在感に思わず道を開ける、ブリタニア、黒の騎士団両軍。

ちなみに彼らは、両軍入り混じって「主君、リーダーの言う事は絶対に守るべきだ」派と「ゼロ様とユフィ皇女が結婚するなんてイヤイヤ」派、「とりあえずお祭り騒ぎだぜひゃっほー」派、「仮面と皇女なんて絵面的に怪しすぎるだろ」派「そこがいいんじゃないか」派に分かれて陣営関係なく戦争していたりする。
ユフィにギアスをうっかりかけてしまってから自棄になっていたルルーシュが、あえて放置した事で元々一枚岩ではない黒の騎士団は内部分裂しまくっており、そこにコーネリアがいまだ放心状態ゆえに主君の妹、ユーフェミアの婚約という事実をどう受け止めればいいのか喧々諤々の議論をしていたブリタニア軍の一部が先走って、地区司令官単位で勝手に同盟したり襲撃した事によって、混乱はさらに深まった。

クロヴィスの薦めていた『両副総督露出多くしてルルーシュに謝罪の意思を伝えよう』計画によって、ある程度温和派と思われていたユーフェミアは日本人にもそこそこ支持されていたことも影響した。
特区日本である程度保護されるのであればブリタニアによる支配を認めようという勢力と気に食わないが皇女殿下の言う事ならばとしぶしぶ納得した軍の一部が結びつく。
かとおもえば、特区なんて認められるか、ゼロ様お考え直し下さいと思っていた連中がそこらかしこでイレブンと同等の特区なんて端から気に食わなかったんだよ! という軍の一部と激突する。


コーネリア、ルルーシュという極めて有能な指揮官を抱いていたはずの両組織は、もはや指揮も取れないほど混乱のさなかにある。
あえて言うなら、ブラックをチームカラーとする黒の騎士団とパープルを基調とした編成を行っているのブリタニア軍が無法則に混ざった、『マーブルリベリオン』状態だった。

その醜い争いの場に出来た道をまるで切り裂くがごとく、スザクは発進した。


出会いが余りに運命的であり、それからもコツコツとフラグを立ててラブラブいちゃいちゃをある種胸の奥で抱いていた主人を寝取られて嫉妬に狂った枢木スザクは、こうして一路空からこの混乱に乗じて皇帝暗殺をたくらんでいるであろうルルーシュをとりあえずランスロットで踏みつけて身動きできなくしてから「お話」するべく、ブリタニアを目指した。
そんなことされれば操縦者の彼以外の人間であれば一瞬で死ぬ、という事は頭のどこかではわかっていたかもしれない。









「マ、マリアンヌ様~~!!」
「で、陛下、どうか落ち着いてください!」


ジェレミアのギアスキャンセラーの効果を受け、くたりとその場に倒れ落ちたマリアンヌ―――否、今ではもう完全にただのアーニャか―――に向かって半泣きで駆け寄る皇帝を目にして、彼に銃を突きつけていたルルーシュは全く動く事が出来なかった。
そしてそれは、その現状を作ったものであるジェレミアにしても同じ。

余りに予想外な展開に動揺を隠せない二人は、殺そうとすることもそれを守ろうとする事も忘れてただ呆然と立ち尽くすしか出来ない。
ただ、それはギアスキャンセラーによって自らの母、主君が永久に消え去った事に対する動揺からではない。


(マリアンヌ―――どう見ても、まだナナリーぐらいの子供じゃないか!)
(不敬ながらもいくらなんでも、刺客を前にしてその態度はないのではないでしょうか、陛下)


二人に共通する感情、それは皇帝に対するどん引きだった。
当然ながら、二人とも、マリアンヌのギアスのことなど知っているわけもないのだから、実際本当につい先ほどまで彼らの母と主君がその場にいた事などわかるはずもない。




それゆえに、それに向かって「唯一のルルーシュとの架け橋が!」と動揺の余り半泣きで駆け寄るクロヴィスを見ても、よもやそれが命の危険から発したものだとなぞ想像も付かない。
だから、外見的に見える、「成人した子供を何人も抱える爺が、自分の孫のような娘にかつて死んだ妻の名前を付けて甘えた声を出していた」という事実から判断するしかないのだが……


(そもそもマリアンヌ様とはどう見ても似ても似つかぬぞ! どういう目をしておられるのですか、陛下!)
(まさかあんな幼女に母さんの名前を付けて愛人にするなんて、何を考えているんだ、あの男は!!)


状況証拠的には陪審員全員一致で有罪といわざるを得ない光景がそこにはあった。

単なる一庶民出の后妃であるマリアンヌへの、シャルルの愛情は見るものが見ればよくわかるほど深いものではあったが、それはマリアンヌが全く貴族の血が入っていないとはいえジェレミアのような高級軍人、貴族にまで敬意を抱かせるほどにまで容姿、KMF操縦の腕前の実力、気品、知性、スタイル、その他もろもろが極めて優れていたからだ。
皇帝の横に並んでも相応しいだけの風格を醸し出す彼女だったからこそ、庶民ででありながらも皇帝と過ごす事を『許された』のだ。




翻って、今皇帝がすがり付いているアーニャ=アールストレイムはどうか?

彼女は由緒正しいアールステレイム家の令嬢だ。
身分はブリタニア人ではあったとはいえ庶民出のマリアンヌとは比べ物にならない。


だが、その他の面で彼女がマリアンヌに匹敵する何かを持ち合わせていたか?
少女然とした容姿やスタイルは、ルルーシュやジェレミアに対して幼かったころの妹を思い起こさせこそすれ、父や主君の妻としては余りに未熟。
性格や人当たりとて、当代のナイト・オブ・シックスの人当たりに対するよい噂はほとんど聞かず、携帯機にて延々とひとり遊びにいそしんでいるという噂の方が強い。
操縦の腕も、ラウンズに選ばれるだけあって決して凡庸ではなかろうが、貴族出ゆえにそもそもスザクほど当初からの風当たりが強くない。
その上に、専用機が出来ていないという理由で戦場にそれほど出ることのなかった彼女の腕前が、果たして『閃光』とまで呼ばれた皇紀に匹敵するほどのモノとは到底思えない(この世界、未だにハドロン砲は実験段階だ)。


結論として、彼女は余りにも『幼すぎ』た。
その今だ目を覚まさずにその床に崩れ落ちたままの姿を衆目に晒し続けるアーニャ=アールストレイムは、皇帝が寝所にてひそやかに弄ぶ程度ならばシャルルの王者としての嗜みとしてさておき、彼が心底頼りその隣に立つには余りに器量不足に彼ら二人に見えた。


そんな彼女のロリバディに、涙声で皇帝が縋りつく。
全体的にいろいろとふにふにつるぺったんとしている幼女の胸に向かって、筋骨隆々の巨漢白髪縦ロール爺が縋りつく絵面を想像してみるがいい……そこはさながら地獄絵図の一面を切り取ったに等しい。
未だにクロヴィスinシャルルボディのことを知らない二人にとって、それはあまりに見苦しい光景だった。

彼女が帝国最高の騎士であるラウンズの地位にいるのも、こうなってしまえば実力なんて疑わしい事この上なく、ただ皇帝の歪んだ人形遊びの結果としか思えなかった。





          ((この、ロリコン皇帝め!!))



そして、一度誤解が発生すればそれがなかなか解けないのが、この世界における冷たい方程式である。


思わず目線を合わせて今後の対応を考えていたルルーシュ、ジェレミアの考えがちょうど一致した。
すなわち、「皇帝は(性癖的な意味で)もう駄目だ」という考えの元二人は意思の一致を見、その結果としてかつての仇敵同士は分かり合えたのである。
ジェレミア、その強化された超直感でいつのまにやら主君の息子を判別したのか、ゼロを見てももはや憎悪をたたきつける事もなく、その瞳には何処か忠誠が宿っている。


微妙となってしまった空気を振りはらわんとばかりに、突如ルルーシュがマントを翻していつも通り格好を付けると、ジェレミアは実に自然な感じでその前に跪いた。
それは、ルルーシュがゼロマスクというチューリップにも似た奇妙な仮面を付けており、ジェレミアの顔の半分も妙なものに覆われている、という事情さえ無視すれば、実に絵になる主従の姿であった……まあ、先に挙げた問題点がそれをすべて台無しにしている感はあったが。

だが、やっている当人達は大真面目。
とりあえず倒さなきゃならないラスボスを格好よくドラマチックに倒す為に、相手が立ち直るまで間を持たせる意味もあったのかやけに大仰にそれは続けられる。
ジェレミアの口から懺悔のような呟きが漏れる。


「私はかつて、アニエス宮にて勤務しておりましたが、敬愛するマリアンヌ皇女殿下とそのご子息らさえ守れなかった……だからこそ、クロヴィス殿下をはじめととする皇族の方々を守りたかった。しかし、あの皇帝陛下は!」
「そうか……我が名はルルーシュ=ヴィ=ブリタニア。皇帝という運命に弄ばれた皇紀マリアンヌが第一子にして世界に対する反逆者である!」


実の父が実は自分の妹程度の年の者に縋りつく事を好むようなロリコンであり、そんな相手に忠誠を誓っていたという苦い過去を振り払うかのように、厳かな宣誓は進んでいく。

バックミュージックにクロヴィスの泣き声が入ったりしたが。


「やはり、あなたはマリアンヌ様のために……オレンジと呼ばれた事を憎んだ事もありましたが、それがわかれば私は満足です」
「思えば、お前ほどの忠義のものに酷いことをした……だが、その上であえて私は命じよう。ジェレミア=ゴッドバルトよ、私に従え!」
「イエス・ユア・マジェスティ!!」


こうして、おいおい、マリアンヌ死んじゃったよ。どうやってこの後誤魔化せばいいんだ、と呆然とするCCの横で、自分たちという存在がある意味求めてやまないマリアンヌという人物をこの世界から消去した事もわかっていない二人の間に、突然主従契約が結ばれた。
ちなみに、マリアンヌがジェレミアの性で消えた事を理解しているのは、ジェレミアの能力とマリアンヌのギアスのことを知っていたクロヴィス主従と、ジェレミアについても知っていたマリアンヌ本人、そして彼女からそれらのことをCの世界経由で聞いたCCだけなので、いまなんか横で演劇じみた事をやっている二人は知りもしないのだ。

すべてを知る者からすれば、実に滑稽である。






「マリアンヌ様~~、せめて、せめてルルーシュの誤解を!」
「いけません、殿下、そんな事をいっている間があれば早くお逃げください」


が、巻き込まれたある意味もう一人の悲劇の皇子は、それらすべてを知っていて突っ込みを入れられる立場であるにもかかわらず、未だに現状から立ち直っていなかった。



次のお話へ

Comment

いろんな意味で涙を誘う ;w;
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プロフィール

基森

Author:基森
蚕鳴や円禍と名乗ってたこともあります。

主に小説・ssなどを置いているブログです。

自前の本棚を持つのは初めてなので手探りでやっている程度のものですが、わずかばかりの暇つぶしにでもなれば幸いです。


メールは「kulukku106☆yahoo.co.jp」まで、☆を@に変えた上でお願いいたします。

そろそろ、非営利にならトップへのリンクフリーとか言ってみたり。

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