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悪の秘密結社乗っ取りマニュアル19

今月号の袋とじで、ライダーオルティスの秘密が!









ライダーオルティス。
G-ブラスターをはじめとする強力な武装を多数所持しているため、身体能力に長けた肉弾戦を得手とするライダーの多い中ではめずらしく、圧倒的な火力で敵を圧殺する戦闘スタイルを得意とする。
変身ツールの形状は、ベルト。

もともとは、保安局不所属の宮原朔太郎という正義の味方がヘルカイオという組織と戦いを繰り返していた際に使用していたものであったが、ヘルカイオの壊滅と共に宮原もろともツールも行方不明になっていた。

だが、それも今は昔。
現在ライダーオルティスは保安局に所属している。
使用者こそ変えたものの、その戦闘能力はほとんど変わらず、再び正義の味方として立っている。ヘルカイオという宿敵が壊滅した為に特定の悪の組織を担当することはないが、あるときは西に、あるときは東にと他の正義の味方のサポートとして正義のために走り続けている。


だが……その中の人は、決して正義の為に保安局に所属しているわけではなかった。






「……お先に失礼します」
「おつかれっすー」
「お疲れ様でしたーー」



向いていないのかもしれない。
自分よりはるかに年下の同僚から帰ってきたフランクすぎる別れの言葉を聞いて、雄太は改めて現在の職場と自分との適正について考えた。

今まで二十年以上やってきたサラリーマン生活で培ってきた経験とはまったく違う方向性での職種だ。
そこに飛び込むことによって多少のやり難さを感じることは想定していたが、それでもここ最近の疲労は異常だ。


ああ、原因などわかりきっている。


一つは馴れない仕事。
何といっても平均年齢が二十代前半から、ヘタすれば十代後半、という同僚達の若さは、ただもう四十代である自分にとってはその場の空気ですらこの身を蝕む苦痛となる。
ただただひたすらに「自分が正義である」「だからこそ悪を倒さねばならない」と余りにも純粋な正義感を持って自分を仲間として接してくる子の相手も辛いが、「自分がどうしてこんな力を」「生き残る為には戦わなければ」と十代半ばで勝手に思いつめて悲壮感を漂わしまくっている子の相手も、その余りの若さと青臭さが鼻についてしまう。

もちろん数十年のサラリーマン生活で培ってきた忍耐力でそれを表には出すまいと誓っているが、だからといって今まで実社会では存在しなかったほど感情をストレートにぶつけてくる連中に対して、一人で「大人」としての態度を取り続けるのはあまりにストレスの溜まる環境だった。
が、自分のほうが新入りである上に仮にも彼らとは親と子ほど年が離れている以上、自分が彼らに対して怒鳴りつけるようなことなど出来ようもないが、だからといってそんな余りにも若く純粋で、それゆえに実際の社会の現状をもわかっていない象牙の塔の住人達を先輩として尊敬し、仕事上の理想とすることなぞできるはずもなかった。


この正義と悪の交錯する現代日本においては、例え単なる一庶民であろうと彼らの争いと全く関わらずに過ごしていくことはひどく難しい。
それは雄太がサラリーマンとして過ごしてきたときも例外ではなく、その中においては時には正義の味方が壊した無辜の市民の財産というものを見てきたし、悪の怪人が見せた無関係のものに対する優しさというものに触れたことも有る。
そこでは、自身が今所属することになった保安局を恨んだこととて一度や二度ではなく、他の庶民を虐げているはずの悪の組織の彼らに感謝したことも、数えられる程度ではあったものの確かにあったのだ。

無論そんなものはほとんど人々の口にも上がらないようなごくごく僅かな例外であるように、彼とて気紛れで善良な悪役以上の数の非道を働く連中を見てきているわけだが、型通りに嵌らないごくごく少数の例外とてその目で見ている以上それを無視できるほど実感として小さいわけではない。

その彼にしてみれば、保安局のみが日本の平和を守っていると、それゆえに自らには一片の非もないと信じ、悪の組織を人海戦術と資金力だけで押しつぶすことが絶対的正義であると考える若年の同僚達の乗りは、必ずしも同意を叫べるだけのしろものではなかった。



つまりは結局のところ……室川雄太は正義の味方ではないのだ。
無敵の外骨格と超感覚を身にまとってはいても、中身はあの大会社の下請けの下請けのうだつの上がらない背広鼠だったころと何一つ変わっていやしない。
正義感こそある程度持ち合わせているが所詮はそれも常人並の、サラリーマンの腰掛仕事でしかないということなのだろう。


とはいえ、それだけであれば雄太がこれほどまで困り果てることもなかった。
たかが職場が合う合わない程度でどうこう言えるほど上等な身代でないことは、今までの経歴からも明らかであろう。
相手が合わなければ自分を合わせろというのが日本のサラリーマン社会、高々変身アイテムを拾ったぐらいでそこまで今まで築いてきたものを投げ捨てるほど根性がないわけではない。
四六時中の呼び出しに予想外の残業も、労働時間自体は減っているのだから体を使うハードな職に鞍替えしたとはいえ文句を言う筋合いもない。




にもかかわらずため息が止まらないのは、それだけではすんでいないからだ。
公的な意味での疲れのほかにも、私的な領域においても悩みを抱えてダブルパンチを食らっているのだからたまらない。
そう、問題はただの一点。
この職場に来たことによるもう一つの悩み事……愛娘のことだ。



ゆっくりと岐路に着く雄太であるが、その足取りは重い。
離婚直後ということもあってそりゃそれほど帰路は愉快ではなかろうが、それ以上の足取りの重さを感じさせるその動きは、知らぬ間にネオン街に向かっていた。


離婚したことに後悔がないか、といわれれば否というしかない。
自分が馬鹿だったこと、そして妻もそれを敏感に感じ取って同じようなことをしでかしたことは、一時はせっかく手に入れたヒーローとしての力を恨むほどの後悔となっていた。
だが、進んでしまった時計の針は同じところを通ることはあったとしても、決して元には戻らない。

だからこそ、その意味もない過去の後悔だけを考えないようにしようと思っているのであるが、その身を持ち崩したある意味原因である酒に頼らなければならないほどの疲労が娘のことで降りかかってきている。

美咲。
妻との間に恵まれた自分の宝物は、思春期と言う敏感なころに遭遇した自分たちのエゴの衝突によって予想以上に傷ついているようだ。
今まで真面目一辺倒だった娘からすれば両親の離婚などということは天と地がひっくり返ったような衝撃だったのか、最近では明らかに生活態度が荒れてきている。
学校にはまだ不定期とはいえ通っているようであるが学業成績も明らかに落ちてきており、先日学校の担任から「ご家庭でお話をなさってくれませんか?」というやんわりとした話を持ちかけられるほどだった。

学校からすら見捨てられつつある今、なんとかしなければ、という焦りは募る一方だが、はっきり行って今まで自宅と会社の往復ばかりをしていたみとしては、今更娘に対して何を言えばいいのか分からない。
ああ、考えてみれば子育てなんて妻に任せきりだった。
自分では家事に協力しているつもりであっても日々の料理から洗濯掃除まで、日曜主夫の手慰み程度とは桁違いの仕事量を目の当たりにして、離婚という選択肢が失敗であったということを改めて実感する。

もう妻はいない、自分ひとりで娘を育てていかなければならないというのに、自分はまだ会社と家との往復で精一杯、ようやく終わったかと思えばそのなれぬ職場のストレスで足はすぐ居酒屋に向かってしまう。
これではいけない、もっと親としての責任を果たさなければ、ということは常に頭にありながらも、一体何をすればいいのかすらわからない。



だから今日も、その焦りを誤魔化すかのように酒を飲んでしまうのだ、と自嘲気味に自分の不甲斐なさを実感していたそのときだった。


ビーッ ビーッ ビーッ

「っ!!」


腕に付けた通信機が無粋な音を鳴らしたことで、思わず内心の後ろめたいことが周囲にばれやしないかと背筋を跳ねさせる雄太だったが、無論そんな内心までこの通信機は周囲に警告するものではないということを思い出し、それでも一瞬驚かされたことでいらだたしげにそれを睨みつける。

これは保安局によって与えられた装備の一つで、付近で犯罪行為が行われた場合に警告音を発する。
無論、すでに課業外になっている以上、それを無視したとしてもはっきりとした罰則が与えられるわけではない為、一瞬どうしようか、ということが頭によぎる。
基本的に特別国家公務員である保安局員の実働部隊は待遇的にかなり優遇されている。ましてや保安局の中でも中位以上、怪人を単体で撃破することが出来る力を持つ雄太に与えられた権限的にはこんな疲れたコンディションで戦う義務などありはしない。


だが、そんな気だるさも通信機が示した方向に目をやり、店主と思わしき男性が力なく助けを呼んでいるのを見た瞬間になくなった。
男女二人組みの戦闘員らしき犯罪者に、ショーウィンドウのガラスを破る盾とされて店内から吹き飛ばされてきた店主の着ていた黒の背広は、サラリーマン時代の自分を思い出させたからだ。


迷いを振り払うように、雄太は叫ぶ。
自身を変え、酒色に溺れさせ、夫婦の絆を割き、今まさに親子の絆さえも砕こうとしている力を手にして、そのことに没頭することだけがすべてを忘れられる、といわんばかりにその力強い声は、整備の行き届いていない暗い電灯のみが照らす闇夜に響き渡った。




「変身!」




気合を入れてぎりりと拳を握り締めるといつの間にやら腰にはベルト。
そう、もはや腹も出てきたばかりか頭髪の心配さえせざるを得なくなっていた平凡なサラリーマンであった雄太を、ライダーオルティスという強力極まりない正義の味方へと変えるプロセスだ。
大自然の力を周囲から集め、力とするそのベルトは、この緑の少ない街東京においてもほんの僅かな路上の雑草、道端に植えられた街路樹などから力を集め、増幅し、単なる人の体を強靭なる外骨格と外部筋肉で覆って変貌させていく。

周囲から集まってきた無数の小さな光が雄太を覆っていき、その中に弛んだ肉体を押し込めてシャープな輪郭の影を映し出して行くそれは、まさに本人がいったように「変身」という言葉こそが相応しい。


だが、その自らを正義の化身と変える間さえも惜しいといわんばかりに、雄太はそのままのペースで駆けつづける。
彼が戦うのは決して正義といったあやふやなだけのもののためではないが、それでもその胸のうちには、それなりに正義の味方としての情熱とてもあるのだ。
ゆったりとした中年独特の腹に振り回された走りが徐々に徐々に風を切り裂き、大地を踏みしめ、コンクリートのジャングルを跳躍し始めたころには、もはやそこにはメタボ体系な中年男の姿はなく、緑の外皮に覆われたたくましい正義の味方が存在していた。

ライダーとして強化された脚力で持って、雄太は先ほど目撃した二人組みの後を追っていく。
目に宿った超感覚は暗闇の中でもはっきりとあの男達の足音を見極め、その聴覚の異常とも言えるコントロールによって明確な方角まで割り出す。
強化された心肺機能はどれほど全速力で走ったとしても息切れ一つもたらさず、ただ夜の冷たい外気の心地よい味を雄太に伝えてくるだけだった。


その姿は俊敏で、力強く、同じ正義の味方であるプリズムレンジャーなどと比べても全く遜色のないものだった。
そう、今この瞬間だけは雄太は転職先になじめぬ始終過ぎのおっさんでも、娘の反抗期に何一つ手立てを講じることも出来ずおろおろするだけの不甲斐ない父親でもなく、皆に尊敬され、頼られる正義の味方という空気に酔うことが出来た。
それゆえ、その強化された脚力によってなにやら先ほどの店から奪ったであろう大荷物を抱えてよたよたと逃げようとしていた二人に追いつくなどわけもないことであり。


『……なっ!』


だからこそ、その後の動揺は極めて滑稽なものとして映されることとなった。
相手は二人組、大体高校生ぐらいの男女だった。
少年と青年の間ぐらいの年齢の彼らを見た瞬間、雄太は固まった。


「や、やばいよ! なんか来た」
「ちぃ! やっぱ今日はゲンが悪りーとおもったんだよ」
『馬鹿な……』


こちらが来たことを察してか、見るからに狼狽している二人組みの素顔を、その闇をも見通す青い複眼で見つめたときに、いつものように何処か疲れながらも冷徹に悪を処分する正義のライダーとしての態度が取れなかったのだ。
眼前の二人の片割れの顔に見覚えがある、と思った瞬間、先の店主の為の義憤はすべて吹っ飛び、自分の不甲斐なさ、情けなさ、自分自身への怒りといった感情が混沌とあふれ出て、冷静さを奪っていった。


正義の味方である自分の娘が、悪の組織の構成員だなんて!



(美咲っ!)


もはや彼にとって目の前にいるのは平穏な市民の生活を脅かす悪の構成員二人組みなどではなかった。
衝動的に駆け込んだ先には愛娘。
その隣にはいかにも不良といった感じの少年。


正義の味方としては権限の元まずは相手に通告を行うべきであるが、父親としてやるべきことは一つしかなかった。


『美ぃ咲いぃい!!』
<Cartridge Road>
「ま、まてっ!」
『っぉおお!!』


電子音とともに左腕に備え付けのリボルバーの弾倉にも似た何かに弾が込められたことも確認せずに、雄太はそのままの腕で衝動的な怒りをもって男の方を殴りつけた。
その四十を越えているものとしては余りに見事な左ストレートが相手にぶち当たった瞬間、腕に仕込まれた超科学の炸薬が炸裂し、相手を爆砕する。
怪人の姿になってもいないただの少年風情では、耐えられるはずもなかった初手で必殺技という手段。

遺言を残す間すら与えずに一つの命を失わしめたこの容赦のなさこそが、戦闘センスに乏しい雄太を曲がりなりにも日々正義の味方としてやっていかせている。
この戦法を雄太自身は合理的だと思っているが、相手の悪の組織側の人間としてみれば恐怖か怒りのどちらかを強く感じるような情緒のない戦い方だった。


「ああああああぁぁぁぁ!!」


だからこそ、その容赦も手加減も微塵もない圧倒的なまでの一方的な行為は敵対者の恨みを一層買う。少年と行動をともにしていた少女にしても許せなかったのであろう。
敵うはずもない精々戦闘員以下の戦闘能力しかない状態で、保安局のヒーロー相手に挑んできた。


「よくも、よくもぉ!!」
(っ! ……いや、違う。美咲じゃない)


そして、そのころには雄太にもそれなりに冷静さが戻ってきていた。
よく見れば、いくら最近荒れてきていたとは言え自分の娘はここまで小麦色の肌はしていなかったはずだし、化粧も下品ではない。
改めてみてみると、どうしてあんな勘違いをしてしまったのかわからないほど似ても似つかぬその容姿に、徐々に手加減の必要性を感じなくなっていく。

相手の攻撃をその強化された反射神経と強固な装甲で裁きながら、そう先ほどまであれほど荒れ狂っていた激情が冷めていくのを感じた雄太は、改めて自分が保安局に染まってきていたことを感じる。

全くの勘違いで悪の組織の構成員とはいえ一つの命を消し去ったことに、かつてほどの罪悪感を覚えていない自分に気付いたからだ。
無論、法的にはこれは完全に罪でもなければ悪でもない。
正義の味方に与えられた正当な権限だ。
が、それでも変化は感じざるを得ない。

何処か隔意を感じている同僚達と同じような思考回路になってきている、というにもかかわらず雄太の脳裏には危機感はない。
あるのは寧ろ、諦めに近い感情……ああ、ここまで俺は変わってしまったのだなあ、というものの方が多い。
他人の生死という重大であるはずの物事に対することまで、ここまで自分の考えが変わってしまっていることを考えれば、娘の自分に対する印象が変わっていても仕方がないし、娘自身もいろいろな面で変化していてもある意味仕方がないのではないだろうか、などと思ってくる。

その自分の変化が今悩んでいる悩みのうち、職場になじめないというものを徐々に消していき、娘との隔意をさらに大きくする、ということがわかっても、ここまではっきりとした実感として突きつけられてしまえばもはや抵抗などできようはずもない。
結局今の自分は正義の味方であり、自分の感じていた職場でのギャップは、単に転職先に未だ馴染めていないだけの時間がそのうち解決してくれる些細な問題なのだ。
美咲のことを何とかしなければ、という焦りは全く変わっていないものの、少なくとも悩みの一つは放って置けば解決する、ということはある種雄太の心を軽くした……それが自己欺瞞に過ぎない、ということも何処か心の奥ではわかっていたが。


だから今は出来なくても、いずれはこの娘の面影を見た少女を殺すことが出来るのかもしれない、などと思いながらとりあえず肘鉄で相手を気絶させて捕獲することにも、それほど抵抗はなかった。









ありゃ……また調達班がやられちまったか。
今回はどれがやられたんだろっと……ちかちかちかりと手元のパネルをいろいろ弄ると今いろいろ進行中の俺指揮下の戦闘員どもの悪事の数々があっという間に浮かび上がってくる。

で、こんなかで駄目になったのはどいつらかなぁっと……ああ、あの宝石店襲うように言ったジロー配下の二人組みか。特に意味なくロミジュリ並の熱愛中に調整した連中だな。
出来るだけ派手にやらせてたから、目ぇ付けられたのか。やれやれ、付いてなかったな、お二人さん。
一人はもうやられてて、もう一人は捕獲されたか……後で爆破しとこ。

蘭華のおかげで資金には余裕があるとはいえ、そればっかじゃいろんなとこ(キラーアースのお偉いさんから、最近この辺を見張ってる保安局員まで)から睨まれちまうからある程度はこういったこともやんなきゃいけないんだよな。
上納金はちゃんと貢いでるとはいえ、あんまり動かなかったらラムとかから「暇だろお前」って妙な仕事押し付けられかねねえし、正義側からしてみてもあんまり地域の犯罪率が下がったら「何かの前兆か?」って余計な勘ぐりしちまう。
そいつら全部跳ね除けられるほどの大手さんじゃねえんだから、こういったちまちましたお仕事は欠かせないねえ。


だから、ジローの手下ども吸収したおかげで実働隊の補充も出来たことだしここらでちょっとばかしノルマを稼いでおくかとも思ったんだが、どうも上手くいかねえなぁ。
さっきっから雑魚どもが狩られまくってやがる……生き残って帰ってきたのが二組しかいねーじゃねえか。

おっさんライダーへの計画の細部煮詰めるまでの暇つぶしなんで、使い捨てることも織り込み済みのプランだとはいえ、こうもぽこぽこやられちまうんじゃコストパフォーマンスが悪いったらありゃしない。
ここんとここのあたりの仕事から離れてたから、勘が鈍ったか?


まあいいや、ある程度はしゃあない。
釣りってのは餌を惜しんでちゃ獲物も渋くなる。
暇つぶし程度とはいえ、だからこそケチらずにパーっと使わなきゃやってる意味がねえ。


と、言うわけで今回の宝石店襲撃組みの釣果は、っと…………え? なんでおっさんがいんの? 何この偶然、怖いじゃん。

今回の戦闘員ばら撒き釣りは、適当なところでの資金稼ぎと保安局とか野良ヒーローの警備体制の確認だったからもうすでにいろんなことわかっちゃってるおっさんのシフトはわざわざ外してやってんのに。

何でこんなとこにいんだよ……え~っと、ビデオビデオっと。
あ、あったあった。

やっぱ国が金出してるだけあって至れり尽くせりだなあ、この施設。
店のアラームと同時に自動録画とは、いやはやおそれいった。
それじゃ、こいつを使って確認してみますかね。


…………再生中…………

『『美ぃ咲いぃい!!』』
<<Cartridge Load>>
『ま、まてっ!』
『『っぉおお!!』』

…………再生中…………



くっ…くっくっく
はっはっはっ、あーはっはっは!!


ロミジュリども、GJ!
おーけい、おーけい。
大分不安定になってるみたいだな、おっさん!

いや、適当にノルマこなせりゃいいやとおもって正直あんまり期待しないで送り出したんだけど、こりゃいい仕事をしてくれたもんだ。
いや、やっぱお仕事は真面目にやるもんだね、こりゃ……見てる人はきちんと見てて、ちゃ~んと神様がご褒美下さるんだ。ま、俺は神社とかの賽銭箱に爆竹仕掛けんのに嵌ってたことがあったけど、それでもくれるってことはきっと真面目に信じてる奴ほど馬鹿を見るんだろうけどよ。
今のおっさんの精神状態が能力で読まなくてもまるで顔に書いてあるみたいによく読める。

もうちょっとボディかましてじわりじわりと削っていくつもりだったけど、この辺にしといて次の段階いっといた方がいいかもしんねえ。
いや~、よかった。あんまり追い詰めすぎて自暴自棄になられても、遊びがなさ過ぎてスケジュールきつきつになりすぎちまうからな。
今の段階でここまでキてる、ってのの目安にこの映像以上のもんはないね!

こういう予想外は歓迎だ。
仕事のクオリティ向上にご協力ありがとうございます、諸君!


よっしゃ、いい感じの青写真がいままさにビビっと来た!
若干計画変わるけど、こっちでこのまま行っちまおう。


題して、「ええ!? うっそー、そんな、パパが私の敵なんて」作戦。
だせぇタイトルどおり、B級映画並の一大スペクタルを撮りきって見せるぜ。
乞うご期待!!

次の話へ

Comment

ところでこのおっさんはバイクに乗れるのだろうか
もし乗れなければライダーじゃねぇwwって状況になりますね
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プロフィール

基森

Author:基森
蚕鳴や円禍と名乗ってたこともあります。

主に小説・ssなどを置いているブログです。

自前の本棚を持つのは初めてなので手探りでやっている程度のものですが、わずかばかりの暇つぶしにでもなれば幸いです。


メールは「kulukku106☆yahoo.co.jp」まで、☆を@に変えた上でお願いいたします。

そろそろ、非営利にならトップへのリンクフリーとか言ってみたり。

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