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鬼畜ま!14

十四話












(ふう、何か違いますわね………楽しくないとは言いませんけど)

 雪広あやかは清水寺の高さにはしゃぐクラスメート達から少し離れた場所で周りを眺めていた。
幼い頃から雪広財閥の次女として恥ずかしくないようにとさまざまな習い事を修め、心身ともに鍛えて、見聞を広げてきたあやかにとって、その過程で何度か来たことのある京都という街はさして興味を引く物ではなかった。

 もっとも、今回は修学旅行と言うこともあって自らの最愛の人である担任のネギ=スプリングフィールド教師がいるため、今までの過程でも十分楽しんではいたが、教師でありながら他のクラスメートと同様に清水の舞台の高さをみて興味深そうにするネギの姿を見るならばともかく、ネギの近くによることもできなかったこんなところで他の生徒のようにおのぼりさん丸出しの姿を衆目にさらす事はプライドが許さなかった。
 やがて、その高さに興奮してきた一部の生徒によって、ネギがその舞台から放り投げられそうになっているのを見るとさすがに止めようとしたが、体勢を整えてその生徒に抗議しようとする前に、自らがライバルと思っている神楽坂明日菜がネギを奪い返してしまったため、自分の行動が二番煎じのように思えて好ましくなく思えそのまま傍観していた。

 その視界にちょっと興味を引くような物が入ってきたのは、なんとなく修学旅行に来たにもかかわらず他の生徒同様に見るもの全てが新鮮だというわけでは無い自分が面白くなく感じられため息を一つ吐いた、そんなときだった。




(あら、あれは…………)

 その視線の先にはシィル=プライン教育実習生の姿が見られた。
 基本的に礼儀正しいあやかとしては、合流してきたであろう教師に声をかけるべきかと思っていたがそのシィルの横に、幾人かの人影が見えて思わずそちらを凝視してしまう。

 シィルと共にいた人間は二人。
そのうちの一人は男性だ。親しそうに会話をしているように見えるが、あやかの知る限り学園の職員では無い。
一体どういった関係だろう、と考えていると、ふと脳裏にひらめいた事があった。

(電車内のネギ先生の話ですと、今日はシィル先生にとって学園長の頼みごとが終われば休暇になるのでしょう。でしたら……ひょっとして、デートというものなのでしょうか?)

 こっそりと道中ののどかとネギの会話を聞いていたあやかは、はしたないとは思いつつもシィルの隣にいる男性を注視してしまう。普通の道徳を持っているものであれば、幾らなんでも学校行事の最中に逢引などするはずないのであるが、基本的に恋愛至上主義を掲げているあやかはそういった常人とはかけ離れた結論に達したようであった。
それほど大柄というわけではないが、どうにも威圧感があり、あまりあやかの好きなタイプの人間ではなかった。

 だが、隣にいるシィルの顔は、嬉しそうで、楽しそうで、教室にいるときよりもいっそう輝いた笑顔だった。


 あやかは同じ恋する乙女の直感として、あの人こそがシィルが自己紹介のときに言っていた「振り向いて欲しい人」だと確信して、彼女らに気付かれないようにじっくりと観察する。

 いい男だ。好みではないがそう分析する。
 きりっと締まった目元、形よく高い鼻、すべらかな顎のライン。シィル同様、日本人ではないようで、北欧風の顔つきをしているが、それでも日本の男のいい部分はきちんと受けている顔だ。外国人かハーフであろう、シィルともそういった縁で知り合ったのだろうか。
これで口をもうちょっとおとなしめに開いていれば、完璧に美形といって良いだろうが、馬鹿笑いをしている状態でも十分にいい男であると断言できると思う。何よりその意志の強そうな瞳がこの男を単なる凡庸な男から遠ざけている。
 顔以外の部分でも、腰の位置も高く、がっちりと締まった身体をしている。あやか自身武芸をたしなんでいる関係で、なんとなくあの男の筋肉のつき方から何か武道でもやっているのではないかと思う。
華奢で礼儀正しい少年が好きなあやかであったが、その趣味すら一瞬忘れさせるほど全体的に力のあるオーラを持った男だった。


(お似合いの二人……かもしれませんわね)


 シィルは自分より年上なのだから、大人のお付き合いをしている男性が一人ぐらいいたとしても別にそれ自体に疑問は無い。
というより、趣味の影響もあるのだが今まで一度も異性とお付き合いをしたことが無い自分こそが、世間一般の基準で言えば遅れている、という事になるという事をあやかは理解していた。


(……しかし、デートだとしたら、あの子供は一体誰なのでしょうか)


 もし、シィルとあの男性がデートしているのであれば、あの男性にべたべたとくっついている少女の存在がイマイチよくわからない。
見た目はあやかと同じぐらいの年頃のように見えるが、あやかはあれほど子供っぽい態度なぞ、小学校の頃にすら覚えは無いし、クラスメートと比べても行動が幼すぎるような気がする。
 あの男性の連れ子というには大きすぎるし、仮にそうだったとしてもいくらなんでも一人で留守番できない年ではあるまい。であれば子連れでデートするなぞといった事は無いだろう。

 シィルの妹であって、今回は別にデートでもなんでもなく、ただ単に留守番させていた妹がわがままを言ったため、姉の友人が連れてきたという可能性も皆無というわけでは無いだろうが、実際無いに近い可能性であろうし、あの少女とシィルはほとんど似ているところが見当たらない。

 あまりに不可解な三人組を見てせめて会話の中身を聞ければ、と思って少しずつその三人に近づいていったところ、自分以外にも同じ方向を目指して進んでいる人陰を発見した。


「………何をなさってますの」
「わわっ、いいんちょ」


 いつの間にか他のクラスメートとは外れて、シィル達に近づこうとしていたのは3班に所属する朝倉和美であった。あからさまにまずいのに見つかっちゃったな~という顔をした朝倉は、あわててシィルのほうを指差して小声で弁解する。


「ほら、あっちにシィルさんがいるじゃない? 挨拶してこようかなーと思って」
「カバーを外したカメラのシャッターに指を構えてですか?」


 あからさまに「アイツは誰だ? 気になるぜ、今度のネタはなんだろな」と顔に書いてある上にしっかりとカメラにスクープを収める気満々の体勢でそのような事をいっても説得力が皆無であり、あやかにばっさりと切り捨てられる。


「あ、あはははは…………だって気になるじゃない! あのうぶそうなシィルさんが男の人と一緒にいるんだよ。もし彼氏だったりしたら、大スクープなのに」
「シィル先生は未成年の私達と違って大人の女性です。たとえお付き合いをしていらっしゃる男性がいたとしても、それを私達が騒ぎ立ててしまうと学生同士の恋愛のうわさを広めたときのように謝れば済む問題ではなくなる事もあるかもしれませんわよ」


 開き直って反論する朝倉に対して、クラス委員として自分の今までしようとしたことを心の棚に上げて言うあやかだった。
ネギと明日菜が絡まない限り、あやかは非の打ち所がない実にまじめな優等生だ。

 実は今まですでに教師同士の恋愛についてもスクープとしてばら撒いた事もある朝倉だったが、ここで下手に反論して、修学旅行中ずっと委員長に目を付けられる事は避けたかったため、ここは説得する路線に変更する。


「わかったよ。スクープにはしないし、みんなにも教えない。でも、気になって修学旅行どころじゃないから、とりあえず調べるだけ調べてもいいかい? ほら、いいんちょもあの人がどういう人かは知りたいんじゃない?」
「それは……」


 その提案にふと考え込むあやか。
確かに心惹かれる物はあるが、クラス委員長としてプライバシーの侵害をみすみす見逃すわけには……


「今ならほら、この間入手したネギ君のお風呂上りのせくしー写真も特別につけちゃうよ」
「乗りましたわっ!」


 愛の前には倫理なぞはある程度道を空けるべきなのだ。


「良いですか、決してシィルさんたちに気付かれてお二人の邪魔をしてはいけませんよ。あとどれだけ良いところであっても、集合時間には戻ってくる事。それから……コホン、調査した結果については、きちんとこちらに報告してくださるかしら」
「おっけー、まっかしといて。じゃあはいこれ、写真だよ」


 朝倉はあやかに押し付けるように写真を渡すと、あやかは食い入るようにあやか的にはかなり大胆なその写真を穴が開くほど見つめて、幸せそうな笑顔を浮かべる。
その隙に、朝倉はどこかに移動しようとしているシィルたちの後を追ってこっそりとついていった。

 そして、後に残ったのは写真を持って別世界へとトリップしている少女だけだった。




「がはははは、木で出来ているとは燃えやすそうな街だ。放火セットを持って来れば良かったぞ」
「ラ、ランス様………ほ、ほら、いい景色ですよ」
『なんじゃかおかしいぐらいJapanに似た所じゃのう。本当にここは異世界なんじゃろうか……お、アレは芸者ガールじゃ!? ぐえっへっへ』
「高い~~高~い~寺と~像~。でかくて~暗~い」


 リムジンから降りたランスたちは観光気分そのもので、依頼のことなぞすっかり頭の奥の棚に置いて京都名所めぐりをしていた。
事前に下調べしていたシィルの知識により、京都といえば清水寺ということで、無理やり監視役に案内させたため、もともと合流するつもりではなく偶然生徒達と一緒のところにくる事となったのだが、当初の依頼の事なぞすっかり忘れたランスはなんだか見覚えのある制服を見かけても、時おり通る舞妓などに神経を集中してほとんど気に留めていなかった。

 もっとも、ランスの実力を嫌というほど見せ付けられている監視役としてはその危険性を熟知しているため、出来る限り生徒には近づかないようにここには越させたくなかったのだが、ランスの行動に異を唱える事が出来る者もまたここには居なかった。

肩がぶつかっただけで一般人(ちんぴら)を惨殺した事もあるランスに、可能な限りの能力で出来るだけ人を近づけないようにするしかなかった。せめて、必要以上に目立たせないように、しかし関西呪術協会に刺激を出来るだけ与えないように認識阻害の魔法を張り巡らせる。
その結果として、弱い出力で長時間結界を張り続ける事となり、極度の疲労を監視役に与えたにもかかわらず、波長の合うものであればあっさりとランスたちのことを感知できてしまう程度のカモフラージュ効果しかなしていなかった。


「えっと、ここは清水寺というらしいです。この国では思い切った事を行動に移すときは、清水の舞台から飛び降りる、というそうですが、それは昔忠明という……検非違使? お坊様かしら? その人が多勢に襲われた時、ここから飛び降りて見事逃げ切った話に由来するという由緒正しいお寺です」
「ふ~ん」
「ひん、ほとんど聞いていらっしゃらない」


 根が真面目なシィルは何とかランスにこの寺について、「燃えやすそうだ」というもの以外の感想を感じてもらおうと一生懸命パンフレットなどに目をやって説明するが、ランスはほとんど興味を示さない。

 そもそもランスは、歴史や芸術の類にはほとんど興味が無いのだ。
「今がよければそれでいい。世界は俺様中心にまわっている」と本気で考えているランスは、かつての世界においてもほぼ万人が知っているような故事である魔人との戦争や、有名画家の代表作すら知らなかった。


 ランスは、副業として平日は何らかの職業について休日になると街周辺のモンスターの掃討などによって小金を稼いでいる大して強くない日曜冒険者ではなく、時には魔人すらも屠る超一流の職業冒険者だ。
クエストに関係のあることについてはその経験からそれなりの知識を持つのだが、それ以外のことは生きていくのに不要なものであるとしてほとんど切り捨てている。

 そして、かなりの幅広い知識を持つシィルがパーティに加わってからは、一層その傾向が深まっていた。
そのため、派手で華やかな観光地ならばともかく、文化を味わうことを目的にする修学旅行において必須の地すらも、木材の茶色と金具の色そして仏像の鉄色しか視界に入ってこないとして、目新しさが薄れると早くも飽きてきていた。

 そして、ランスにしてみれば観光に飽きてくればやる事は一つ。後ろをそれとなく視界に納めて、いつも通りの考えにランスは至った。
ちょうど面白そうな玩具もついてきていることだし……


「シィル」
「はい? なんでしょうか、ランス様」
「ついて来い」
「はい? ………ちょ、ちょっと待ってください、ランス様。あてなちゃ~ん、ランス様移動するって」
「りょーかいれす~。次の場所にレッツごーれす」







(う、うっわーあんなことまですんの?)

 朝倉和美は眼前でいきなり行われ始めた濡れ場にカメラを構える事も忘れて硬直していた。
目の前では、自分の先生に当たるはずのシィル=プラインが見知らぬ男に後ろを向いてスカートを捲り上げさせられていた。そこに膝をついた男は下着を脱がすのではなく、ずらしてその隙間からシィルの秘部に対して指を蠢かせていた。
 気付かれないように遠距離から眺めるだけのため、一体どんないやらしい事をしているのかはっきりとは見えないが、その淫靡な雰囲気は朝倉のところまで十分伝わっていた。

(ここってまだお寺の敷地内だよ、誰がどこで見てんのかもわかんないのに)

 出刃亀している自分のことを先ほどのあやか同様完全に棚上げして、朝倉はこんな場所で大胆な行為に及ぶシィルの事を見つめ続けた。
もう一人少女がいたようだが、それがどこかに行った途端におっぱじめた二人から、まったく目が話せない状態が続いていたのだが、それも男の方が本格的に始める気になったのか、ズボンをずらしている事に気付くとあわてて視線をそらした。

 しかし、彼氏がいるとはいえ、未だキスどまりの中学生としては、思春期の性に対する好奇心を抑える事は出来ず、恐る恐る視線を元に戻したのだが……そのまま再び硬直する羽目となった。

(な、ナニあれ! 普通あんなにおっきいもんなの?!)

 子供の腕ほどもあるランスの一物を見て、一体男の人の体のどこにあんなものを収納するスペースがあるのかと目元と頬を赤らめながらも視線を逸らせない。
以前ネギが大浴場に入ったときに見てしまったものは小さく、あのような形でもなかった事も思い出して、大人になればアレほど大きくなるのかと思ったが、幼い頃の記憶を呼び起こしてみても一緒に風呂に入っていた父のものがあれほどの威容をさらしていた記憶は無い。

 戦闘時と休眠時、こちらの世界でいうところの欧米系の男と、純日本人の朝倉の父親との差、何より個人差が大きいためなのだが、それすらも流石にモザイク抜きで見た経験の無い処女にはわからず、朝倉は兎に角でかいランスのモノをじっと見つめていた。

 とりあえず、当分の間は彼氏とはキスで留めて置こうと心に誓う。
どう考えても自分の場所にあんなものが入るはずが無い。裂けてしまう!
 
 しかし、その巨大な物を敏感な部分に擦り付けられているシィルは、自ら進んで求めはしないもののすでに出来上がってしまった身体をもてあましているのか、切なそうに身体を揺らしている。
が、まだ良識という物が残っているのかそんな状態でもこんな場所ではやらないでくれと男に思いとどまるように懇願している。

 そんな懇願には一切耳を貸さないで、男は一気にシィルの中へと突っ込んだ。
シィルの隠し切れない嬌声が大分離れたこの位置までかすかに聞こえてきた。
今まで表面上だけとはいえ拒んでいたシィルから声を引き出せた事が楽しいのか、男は最初からスパートをかける。

 シィルは唇をかんで声を抑えようとするものの、大きくなった嬌声はこの寺の敷地内の一角にある林の中の木々に吸収されきれず、さらに大きくなって朝倉のところまで聞こえてきた。



 それを聞いた朝倉は、これ以上無いというくらい顔を真っ赤にしながらもその場から離れる事は出来なかった。
 もちろん朝倉とて、年頃だ。
そういったことに興味が無いわけではなく、気分が盛り上がってくるとクラスメートと猥談めいた話をする事もあるし、そういった雑誌を読むことだってあるが、麻帆良学園という学内に全ての施設を納めることで周囲から隔絶している閉鎖空間において学生生活を営んでいるため、一般の中学生に比べて学園全体が性行為に触れる確立が若干低くなっている。ネギに対してお姉さんぶってはいるものの、実経験自体はネギ本人とさしたる変わりはない。

 付き合ってくる彼氏は一秒でも早くそういった展開にもって行きたいと思っている事はわかっていたが、クラス一番乗りとなる自信がなくてすっと身を引いて今まではかわしてきていた。
 そのため、朝倉はここまで生のSexという物をたたきつけられた事は初めてだった。


 どちらも理性を抑えてまで身体をぶつけ合う、生の肉眼で見た性行為は決してきれいな物ではなく、むしろ潔癖な14歳の感性からすれば汚いともいえるものだった。
 しかし、そのすぐ近くで行われている光景は、音声は、香気は、体験の無い少女に対しても強く身体を熱くさせるものだった。思わず朝倉はスカートの上から無意識のうちに拳を押し当てていた。
 自分の肉体が思考の支配から離れた事にも気付かずに、朝倉が一心不乱に二人の行為を見つめていると、その唯一の観客に気を使ったのか二人の体勢が大きく変わった。

 座り込んだ男の足の間に、シィルが背を向けて乗っかる形で、結果としてシィルの足がこちらに向けて大きく開かれてしまっていた。

(あっ…………)
 ごくり。

 おもわず渇いた喉に唾液を飲み込む。以前一回だけ見たビデオではモザイクがかかっていた部分が白日の下はっきりと見えてしまっている。

(すごっ!? 本当にあんなおっきいのが入っちゃってるよ……)

 下腹部に押し当てていた拳の圧力が知らず知らずにいっそう強くなっていく。


「がは…は……イクぞ…………」


 遠くで男の声が小さく聞こえたかと思うと、シィルの腰が痙攣するかのように脈打った。その後、二人とも一瞬動きを止めたかと思うと、男の物をつたってねっとりと濃い白濁した液体がシィルの中からこぼれ出てきていたことが見て取れた。

(うわぁ……あれが膣に…………………えっ!?)


 自分が受けたわけでもないにもかかわらず、朝倉はじんわりと熱い痺れが身体にしみこんでくるかのように感じて、その場にしりもちをついてしまった。
スカートに土の湿気がしみこんでしまう、と考えた次の瞬間! 首の辺りに何かによる強い衝撃を受けたかと思うと朝倉はそのまま意識を失った。



 未だ頬の紅潮が取れないままちまちまと重たげに身体を動かし、行為の後始末をするシィルを横目にランスはさきほどからこちらを見ていた人間がいた方向を見て、にやりとした笑みを浮かべていた。

 何者かがこちらを観察している事は、ほぼ最初からわかっていた。
魔法使いのシィルは気付かなかったようだが、戦士であるランスは相手の視線というものも利用して戦闘を行うため、見られている、という感覚にも敏感だからだ。
ともあれ視線を受けている方向を見ると、それで隠れているつもりだったのか、太い幹から半身を出していた少女を見つけたのだ。

 男が覗いているのであれば即座に殺そうと思っていたランスだったが、見ている相手がそれなりに育ってきているが、食べるにはまだちょっと早いような気がする少女という事で考えを変えた。

 ちなみに、監視役達は無理やり脅してどこかに追っ払っている。
男なぞ、仕方なく必要なときにだけいればいいのだとランスは心底思っている。監視役としてみれば任務が遂行で来ていないということになってしまうので超望遠出でも監視を続けるつもりだったのだが、わざわざ自分の元まで差し向けられてきたランスの従者であるあてなに釘を刺されては、退散するしかなかった。
ランスとの関係悪化を恐れる近右衛門にも、可能な限り監視を行うべきだが気取られた場合は適当なところで切り上げてもよいと許可をもらっているという事もある。


 まあ、それはともかく、本当に手を出すには早いのか確認しようと思ってシィルとの行為を見せ付けるかのごとく派手にやったのだ。
そして、こちらに神経を集中させておいた上で、あてなに怪我をさせないように気絶させるように命じていたランスは、あてながうまくやった事を感じ取ると、シィルに気付かれないようにその場を離れ少女のところに向かった。





「ご主人様、言われた通りやったれす」


 先端が丸くなっている気絶をさせるための矢を使い、ランスがことをおっぱじめてからずっと一人で隠れていて、ランスの合図と同時に朝倉を後方から狙撃してただの一発でしとめたあてな2号はほめてほめてといわんばかりにランスが近寄ってきてそのまま抱きついた。

 そのあてなに対して、ランスはたいした言葉もかけずただあてなの頭をくしゃくしゃと撫でるだけだったが、それが不器用な主の賞賛であると知っているあてなは嬉しそうに笑った。
 艶とこしのある子供のもののような亜麻色の髪は、一旦はランスの手によって乱されたものの、すぐにもとの場所へと戻っていく。
その感触が情事の後の少しけだるい身体に気に入ったのか、ランスがそのまま撫で続けると、あてなはとろけんばかりの笑みを浮かべた。
ランスの役に立っている、その実感が胸を焦がさんばかりにあてなの中で燃え上がる。

 しばらくそうやってあてなをほめたランスだったが、せっかく面白そうだったからシィルを置いてきたのだ。
シィルが後始末を終えてこちらの行動に気付く前に片付けようと、少女の方へと近づいた。


「どっかで見たような服だな……」
「ご主人様、あの麻帆良学園の制服れすよ」
「お~そういやそうだな」


 自らの守護する学園の生徒の制服すら覚えていないランス。いかに近右衛門から言われた仕事をやる気がないかが透けて見えるというものだ。
まあ、そんな事はどうでもいいとばかりに、捕らえた獲物の品定めを始める。
が、すぐに顔立ちをみて眉がしかめられた。



「う~ん、胸はいいが、やっぱり若すぎるぞ」


 そう、彼の好みからすれば朝倉は僅かに幼すぎたのだ。
 そういいながら、遠慮なく朝倉の胸を鷲づかみにして揉むが、その胸の中心部にブラの感触とはまた違ってかすかな硬い感触を感じてさらに顔をしかめる。

何せまだ成長中なのだ。思春期の少女はまだ育ちきっていないため、胸の中心に硬い感じがわずかにあったりするのだが、これだけ乱暴に触れられるとかなりの痛みを感じるだろうため、もし朝倉が目を覚ましていればその感触に痛みを訴えていたはずだ。
痛がられながら幼い少女を組み敷くのはランスの趣味ではない。クラスNO.4のサイズを誇る胸も、ランスからしてみれば未成熟な酸っぱい果実だった。

 そして、ランスのハイパー兵器が反応しない事からも、どうやら15歳未満のようだ。その年頃の少女に手を出すのはランスのポリシーに反する。

 勿論、全く食指が動かない、ということはない。
実際に魔法の効果で大人になっていたとはいえ、ミルという少女相手には十分ナニが機能した以上外見さえそれなりに育っていればオッケーではあるのだが、しかしもうちょっと待った方が味がいいだろう、という判断の方が先に出たのだ。


それでも、彼自身がめちゃくちゃ空腹ならどうなるかわからないが、ついさっき一戦を終えたところだったので腰のマガジンは結構隙間が開いてしまっており、別に無理してまで、という気持ちの方が先に立った。この少女を捕らえるためにシィルとやったということを考えると、けっこう本末転倒である。


「ふむ、将来有望そうだが、やっぱりちょっとだけ若すぎるから没。ふっ、俺様はいわゆる我慢が出来る男なのだ。次行くぞ、あてな」
「はいれす」
「十五歳の誕生日を過ぎたら抱いてやるからまたつけてくるが良い、がはははは」


 そういって、朝倉をその場に置いたままあてなを引き連れてシィルの元へと戻っていった。やはり、再びJapanっぽい所に来たのだから芸者ガールか、などとつぶやきながら。





「はっ。シィル先生は? あの男の人は?」


 土の感触を頬に感じて目を覚ました朝倉和美は、自分のしていた事を思い出すとその場から跳ね起きた。自分は確かシィルと男の人の後をおって…………その後のことまで思い当たって、顔をまっかに染め上げる。

 とそこで、なぜ自分がこんなところに寝ているのかと疑問に思って、辺りを見回すが、すでにシィルもランスも姿は無い。
自分の寝ていた原因に心当たりが無い朝倉は、そんな馬鹿な、と先ほどシィル達が行為に及んでいたと思われる場所に行ってみるが、もはやそんな痕跡はどこにも見当たらなかった。


「うそ………もしかして、全部夢?」


 あまりの現実感のなかった光景だったため、思わず夢かと思ってしまうが、アレほどまで詳細な感触まで感じた夢なぞ、今まで見たことがなかった。
そもそも、何であんな夢をこんな道端で突然見なければならないのだ。シィルに彼氏がいてあやかに見つかったところまでは確実に現実だと思うのだが。

 そう思って、何か証拠は無いかと思ってあたりを探したり、何か自分の身体になぜこんなところで寝ていたのか、という事の説明でもないか、と探したりするが、森の湿った土のためかスカートと下着が湿っている事以外にはあいにくと見当たらない。
と、ここで、左腕に巻いていた腕時計の針の傾きに気がついた。


「!! もうこんな時間? やばっ、さっさと帰らないとまたいいんちょのお小言が~」


 ここから走って帰らなければ集合時間に間に合わないと気付いた朝倉は、名残惜しいながらもしかたなくこの場を後にした。
アレが夢であろうとなかろうと、シィルにはなんとなく秘密がありそうだと直感を受けたままで。




Comment

なんという奇跡の生還w
14歳はアウトっぽいからあとクラスで危険そうなのは年齢詐称してそうな龍宮さんと実年齢20ぐらいありそうなアスナぐらいか

14歳はアウトはどうなんだろう・・。
アールコートは14歳だったし、実年齢は不明とはいえ、身長141cmのケイブワン、138cmのケイブニャンも躊躇無く蹂躙していたし・・・。
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プロフィール

基森

Author:基森
蚕鳴や円禍と名乗ってたこともあります。

主に小説・ssなどを置いているブログです。

自前の本棚を持つのは初めてなので手探りでやっている程度のものですが、わずかばかりの暇つぶしにでもなれば幸いです。


メールは「kulukku106☆yahoo.co.jp」まで、☆を@に変えた上でお願いいたします。

そろそろ、非営利にならトップへのリンクフリーとか言ってみたり。

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