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ドラゴンに首ったけ39

その39(※濡れ場あります)







二つの月の光が差し込む部屋にて、二人の男女が抱き合って、今まさに接吻を交わしていた。


「うむっ……」
「あ……」


お互いの距離感をつかめず、歯と歯がぶつかって僅かな痛みを二人にもたらした。が、興奮は、少なくとも男であるサイトのほうはその程度で収まるものではない。僅かに痛みで躊躇したものの、再びむさぼるようにルイズの唇に吸い付いていく。
まったく持って経験がない故にそれはただ唇と唇を合わせるような、それこそ自宅にハーレムを築いているブラッドが見れば鼻で笑うようなものであったが、サイトたち当人にしてみれば明らかに使い魔の儀式のときに交わしたものとは一線を画するものとして行われた。

それを行っている最中にも、サイトの脳裏には「このバカ犬」とこちらを照れ隠し交じりに怒鳴りつける少女の姿は消えなかった。だが、それは当初より確実に小さくなっていた。
それが果たしてルーンの効果なのか、それともさらなる異世界にたった一人で吹き飛ばされて彼女と距離が離れたことによる精神の自己防衛本能なのか、戦場での傷を生めるため彼女を同一視した己の弱さゆえなのか、それとも純粋にこちらに好意だけを見せてくれるこっちのルイズに対する好感なのかはサイト自身にもわかるまい。
この彼を見て、主とは別の少女に対してその幻影を追い求める不誠実な者、ということは簡単である。

だが、最愛の少女と離れ離れになったあと、彼女とまったく同じ姿かたちをしていて、その精神の根底も同じものを持つ少女に好意にも似た感情を伝えられて、NOといえるものが果たして本当に「彼女」を愛しているといえるのだろうか?
過去の彼女がほんの些細な出来事でその表面を変えてしまったことで、彼女を再び愛することが出来ないといえるか?
何かのきっかけでその身を魔物にやつした少女の心を愛することが正ならば、何かのきっかけで外見はそのままにその心を歪めてしまった優しかった彼を更正させようと愛することも正ではないだろうか?


そう自分に言い聞かせ―――あるいは誤魔化して―――サイトは行為を続行することを望んだ。これが、ルイズの望みなのだから。







「私は、ワルド様をどうしても疑いきれないの」


そう、言い切った少女を見てサイトは愕然とした。
もともと自分の干渉無しでもワルドの求婚を撥ね退けたルイズだ。きっと自分の言うことを聞いてワルドを断罪する側に回ってくれるだろう、と軽く思っていたサイトにとって、この発言は心底意外だったのだ。

ワルドがこの世界でもレコン・キスタに加入しているだろう、ということに関してはサイトは疑いを持っていない。何せ疚しいことがないなら最初っからフーケの討伐時に仮面で顔を覆う必要などないからだ。
ルイズの姿を見て、そしてサイトの殺気を感じてごまかしきれないと思ったのかこちらに対してはすぐに正体を明かしたが、以前の知識とそれらもろもろの事情を考えてみればそれ以外の結論など誰にも出ないだろう。






だが、すぐに彼はルイズの気持ちについて、それもそうか、という風にある意味納得していた。
こっちのルイズは自分が来るまでたった一人でおそらく自分が想像している以上の悪意にさらされてきたのだろう、ということをサイトはようやく肌で理解してきたからだ。


竜の巣、という場所に近づいてきて始めてサイトは、あの竜という存在の禍々しさを知った。


「もはや、娘を売るしか……」
「アルの家では来年の種麦を売って金を作ったらしい」
「!! どうするんだ、そんなことをしてしまっては」
「じゃあ、どうしろっていうんだ! あの竜のブレスを受けて村ごと滅ぼされろというのか!」
「所詮王宮はこんな辺境の村などは……」
「軍備を整える、という名目の元、税ばかり上がるのに……」


道中通った村々でも、こんな声が聞こえる。
どこでも、それこそありとあらゆる場所であの竜の恐ろしさは声高く語られていた。

実際に攻撃の余波で崩壊していた建物なども見た。初回の襲撃以来奇跡的に町での死者はほとんど出ていないらしいが、そんなものあの竜の気まぐれしだいでいつひっくり返るかなどわかったものではない。
人々はおびえ、恐れて唯々諾々と貢物を出すしかなかった。そんなことが、王国への税に加えて天災のように襲ってくる竜に目をつけられた村々ではささやかれる。

それを聞いて、ようやくサイトもこの世界が自分のいた世界とはぜんぜん違った世界だということに気付いたのだ。自らが無視していた程度の小さな差異であったはずの竜の存在。それは思っていた以上に大きな波であったのだ。
そしてそれは、その悪意を間接的とはいえ受ける羽目となったルイズに対する感情をいっそう大きくした。彼女は悪くないのに、と。


「………急ぎましょう。今出れば今日中には次の村につけるわ」
「ルイズ………」


人を殺し、脅し、搾取し、犯す巨大な存在。
まさにあれば人類の敵だ。そんなものとたった一人で対峙することとなったルイズが自分の知る以上におびえているならば、元の道よりも一応庇護者の立場であるワルドに寄りかかることになっても仕方がない、と。

だから、道中ワルドと語り合うルイズを見ても何もいえなかった。こちらを警戒してかワルドの手が常に杖にかかっていることに気付いてはいても、ルイズに対しては何もいえなかった。こちらに向けて密かに、わずかなものではある者の冷たい殺気を向けてくるワルドが、間違いなく裏切り者だとわかっていながら。
自らのみが明確に知る未来の知識によって、本当に味方であるならばつける必要のなかった仮面を見た瞬間からの確信が、たとえ表面だけはルイズを気遣っているように見えるワルドの偽装を完全に見抜いていたとしても。








そのことを、改めてルイズの口から聞いたサイトはやっぱり、という納得の感情も勿論あったが、それ以上にならば俺が何とかしなければ、という思いに囚われる。
が、だからといって代替案をすぐに出せるほどの力はサイトにはない。どうしていいかわからずに、呆然とルイズの言うことを聞くことしか出来なかった。

それを知ってか知らずか、ルイズが代替案を出す。
震える声で、決意を込めて、サイトが信じられないような代替案を。


「だ、だから……私に…勇気を頂戴!」
「なっ! ちょ、ちょっと待て、ルイズ」


最初、ルイズが何を言っているのか、サイトは理解できなかった。
だが、その言葉が脳裏に染み込んでいくにつれて、驚愕が顔に広がっていく。
それを見て信じられていないと思ったのか、ルイズは行動に出る。スリップの肩紐をずらしていくルイズにサイトが度肝を抜かれる。


自分の身を使い魔に与える。
それはルイズがブラッドに攫われて以降常に考えていた選択肢だった。
だが、その当初考えていた身体を持って使い魔の関心を縛り付ける、などということとはまったく真逆に、ルイズは自身の踏ん切りをつけるためにサイトにその身をゆだねようとしていた。

使い魔としてサイトを見ていることには代わりがない。
だが、それと同時に初めから、未来のことを告げられたときから異性としてもこっちのルイズはサイトを見続けてきていた。

それは衝動に任せた、いまだ愛と恋がわかっていない少女のとった愚考であるともいえるだろう。
だが、竜の巣に挑もうとしている彼女には常に死の危険が伴っており、同時に竜を呼び寄せたと公爵が庇いきれないほど貴族から総スカンを食らっている彼女と結婚、婚約、その他恋愛に属する行為をしようとするような貴族はおるまい。


で、ある以上最も身近な異性であり、好感を持っている相手であるサイトにその身をゆだねることでワルドを過去の思い出にして踏ん切りをつけたいと思うのも乙女心であろう。
何よりルイズはサイトのことを好きになり始めていたのだから。


だから、渡さない。
未来の自分なんかに自分の使い魔は返してなるものか。
そのための楔になるのであれば………




そのありえないぐらい大胆な行為にサイトが大いにあわてる。

基本的に彼は純情である。
やや八方美人気味なところはあるが、この年頃の少年であればそれが普通であろうし、それにしてもギーシュのように遊び歩いているのではなく、踏ん切りがついていないという状態は、何人もの少女に迫られているものにしては結構誠意があるほうだろう。

だが、彼には女の子にもてたい、というある種の本能と相反するとある目標があった。

そう、サイトは何より日本に帰りたいのだ。
たとえ愛しい人が出来たとしても、故郷への思いを忘れきることが出来ない以上、いつか別れなければならない。
未だ女なんてどこにでもいるさ、不都合があれば別れればいい、などというような達観に達していないサイトにとって、付き合うということは彼女と一生を共にするという意味を持つ。


それをもっと直接的に言ってしまえば性行為をする、ということはすなわち日本に帰ることをあきらめる、という意味だ。


だから、時折衝動に流されそうになることはあっても、かつての世界で複数の少女、それもその誰にしても間違いなく魅力的な少女達を前にしても、どうしても最後の一線を越えることが出来なかった。その前段階として誰かと付き合うということに踏ん切りがつかなかった。
いや、もうちょっとちやほやされていたい、という気持ちがあったことは否定しないが。

それに加えて今のサイトには前の世界に残してきたルイズのこともあるのだ。ここにいる彼女は確かにルイズだが、だからといって残してきた彼女を放っておいていいのか、そんなことを考えるとそうやすやすと誘惑に乗っかるわけには行かないと、サイトはわかっていたはずだった。

当然、ここでは冷静な頭で考えればルイズを傷つけないようできるだけ配慮してでも断るべきであった。


それでも……それでもルイズは魅力的だった。
ぬけるような白い肌、抱きしめれば折れてしまうような細い姿態、細く小さい四肢。愁いを帯びた瞳に潤んだ唇、その身を鮮やかに彩る桃色の長い髪。

それはキュルケなどが持つ完成された女としての魅力に満ちたものではなかったが、逆に、未完成ゆえの危うい美しさ、これからの成長を確実に思わせる儚い魅力はサイトの視線を捕らえて放さなかった。



何より、彼女の体は震えている。
自らに身をゆだねることで、使い魔を信じることで過去の思い出を振り切り、あの竜討伐にすべてを掛けるつもりなのだ、とその表情と体の震えで懸命に訴えかけている。




先日の件でサイト自身の心のうちであのルイズとこのルイズは同一体だ、とどこか納得してしまったこともあるだろう。

日本に戻ったとしてもルイズのような少女とお近づきになれる機会なんてない、それに自分はこの力を、何の訓練も行っていないこの身に達人の技を与えるガンダールヴという麻薬を知ってしまった。にもかかわらずそれを捨てて日本に帰ることが出来るのか、ということを胸の内のどこかが呟いた、ということもあるだろう。

あるいは、パソコンすら前の世界においてきてしまった以上、この場所において彼にかつての世界を思い出させるのはその衣服のみになってしまった、ということも影響しているのかもしれない。

はたまた、いまだその力がしかとはわからぬ、左手のルーンによる意識の改変によるものということもまったく可能性がないわけではないだろう。ガンダールヴのルーンは人間に付与することを前提としている以上、知能を上昇させ、捕食などの本能を押さえ込む性質を持つ通常の使い魔のルーンとはまったく違った効果を見せる。そのため、そんな洗脳能力など持たない可能性のほうが高い。が、比較対照することが出来ない以上それが完全にありえない、とまでは断定できない。

それとも、戦場に向かう際、あちらのルイズにふられて、利用されていると思い込んでいたままでことがいけなかったのだろうか。

いや、単純に半裸の美少女という目先の餌に目がくらんだ、という可能性が一番高いかも知れぬ。



だが、それらすべての理由すべてをひっくるめたよりも、サイトは「ルイズ」のことが出会ったときから好きだったのだから。
勇気を振り絞って己の前に立っているであろう「ルイズ」を突き放すような選択肢など優しすぎる彼には端から取れるはずが無かった。
ルーンの力によって鋼の体を与えられていても、彼の心はいまだそれになりきっていない、単なる日本の少年だったのだ。


とにかく、それらが複雑に絡み合った結果としてサイトは自らの誓いを破り、無自覚のうちに日本に帰る、という夢の一部と引き換えに、目の前の魅力的な少女に手を出した。
結婚とは男にとってぬるま湯の幸せと引き換えに夢を奪う墓場であり、交際とはその一歩手前の状態であるということをぼんやりとではあるがある程度は理解していながら、それでもサイトは若かった。

……そしてそれは、本人は必死の欺瞞で言い聞かせているからいまだはっきりとは気付いていないものの、もう一人の「ルイズ」よりも彼女を優先すると誓ったに等しかった。





震える唇を近づけてきたのはルイズからだった。
だが、それに触れたのはサイトからだ。

こうして、初めて行う性行為に怯えるのではなく、自らがワルドのことを忘れられないがために使命が果たせない恐怖におびえる、誰よりも貴族らしい精神を持つ少女を、がっつきながらも出来る限りゆっくりとサイトはベッドに押し倒した。







横たわるルイズを見た瞬間、サイトの胸に一拍、熱い鼓動が訪れた。
下着姿でベッドに横たわるルイズは、きゅっと目を瞑り、恥じらいと不安に小さく震えて、まるで生まれたばかりの小鳥のようだった。


改めてその体へこっそりと目線をやると……幼い。

いまさらながら、幼さは確実に残っている。
だが、それでもバストもヒップも幼女のものとは完全に違う。
確実に男を受け入れる為に少しずつわずかばかりにではあっても成長していることが、その完全に起伏がないわけではない微妙な凹凸が証明している。

久々に、こちらに来てからはそれこそ始めてみるルイズの姿に、サイトのテンションはめきめき上がっていく。
そして、その先は彼にとっても未知の世界であった。


ついばむようなキスだけでは物足りない。
それはいつしかお互いに唾液を交換し合い、舌を絡ませるものへと変わって行った。


「ふふふ、あなたとこんなことをするなんて、召喚したときは思いもしなかったわ」
「俺だってそうだよ」


それは随分激しいものであったが、それが終わったころには二人とも軽口も出るようになってきていた。
唇を合わせることで性欲だけではない信頼も交換し合ったのだ。

だからサイトもそれにあわせて笑いながら答える。

だが、彼らが行いたいのはこんなことではない。
すべてに対する保障としてルイズが求めており、かつてをもひっくるめて目の前の彼女がいとおしいサイトからすれば、ここで終わるわけには行かなかった。

お互いの言葉を交わすのももどかしげに、やがてルイズがそっと瞳を閉じ、あわてて動いたサイトが再び唇を重ねる。


「ちゅ…………ちゅっ……」
「んむっ…ふむっ……んっ」


ゆっくりと重ね、優しく顔を揺らすと、徐々にルイズの唇の感触が染み渡ってくる。


(何か……甘いな…)


唇に塗られている紅にはそんな味など付いていないはずだ……それでもサイトは、その唇はどんな菓子よりも甘いと思った。
ある意味何度もその感触に覚えはあったものの、こんなことを感じたことはない。

思えば、こんなにまともにルイズと口付けを交わすのは初めてだった。
ルイズの唇は肉薄であり、今まで感じたそれとは何とも違う感触がするようにサイトには思えた。
その感覚を再度味わいたくなり、さらに口付けをエスカレートさせて、目の前の小柄な少女のその桜の一片をむさぼっていく。
やわらかく吸いながら押し付けて、軽く相手の薄い下唇を咥え、かと思えば離れそうになるぎりぎりまで力を抜いて、またくっつける。

技巧などない、経験すらない衝動に操られたかのような性急な口付けは、しかし今この場においては正しい選択だった。


「んちゅっ…ちっ……ちゅっちゅ……んっ…」
「んむうっ……んっ。んっ…んっ…」


二度、三度、それからもっと。

数分以上、いたわるようなキスを重ねるうちにルイズの表情に変化が生まれてきた。
サイトにされるがままにぎゅっとまぶたを閉じてまつげを震わせていたその緊張に満ちた顔が、徐々に緩んでくる。
頬には赤みが増し、鼻から僅かに漏れる吐息は徐々に甘ったるい声音になっていく。

やがて、チュ、チュ、っといったかわいらしい音から粘りつくかのような音に口付けの音が変わるころには、ルイズの緊張もほぐれたのだろう。
やがて、ルイズからも探るようなしぐさでキスをせがんできた。


(うっ……可愛いぞ…)


正直サイトは次の段階にさっさと進みたい。なにせ、下半身がそれどころではないのだが、誰よりも愛しい少女のためならばやせ我慢をするのが男の子だ。

ルイズはそんな男の生理など知らないのか、ある程度キスだけ、という現状でも納得しているような雰囲気をかもし出していたが、サイトとしては下半身の暴れるけだものを落ち着かせるためにもここでとめるわけには行かない。

そのため、もどかしいといわんばかりに手を勧めようとするサイトに、ルイズが再び声を掛ける……真っ赤な顔で。


「サイト……そんなに見ないで。恥ずかしいわ」
「ゴメン、つい見とれて……」


そういって口付けを落としてくるサイトに、ルイズがくすぐったそうに笑う。
素直に口元がほころぶ。


「えっ? 見とれてって……私に?」
「うん。俺はこんな可愛い子を抱いてんだ~って、改めて実感してたぜ」


ニヤ、と笑ってルイズの緊張を解そうとするサイト。
それを受けて、ルイズも軽く笑った。

それはまさに、今から初体験を迎えようとするカップルそのものだった。




だが、そんなサイトの胸のうちでは、今でももう一人の自分が必死の形相で叫んでいる。

ルイズは、ルイズはどうする!
あの世界にひとり残してきた少女を捨て、こちらの類似品に乗り換えるのか!
命に代えても守ると誓った彼女は、代わりを手に入れればそれで満足なのか!


ああ、その声は確かに正しい。
最低だ、ということは誰よりも自分がわかっている。


だが、そんな声すら一時的とはいえ押し殺すほど、初めて本格的に自らの前に投げ出されており、何の遠慮も無く触れるこの柔らかな肢体は魅力的だった。
胸のうちの思いをかき消すほど、震える少女の背中は儚げだった。
それを見捨てることも、サイトには出来なかった。




続けてのキスを浴びせながら、そろそろと恐る恐るルイズの胸元へと手を伸ばしていく。
スリップが中途半端に崩れて余計に厭らしい感じになっているルイズの身体に触れて、「ご主人様に何をするの!」という理不尽な罵声が振ってくることをサイトは覚悟したが、恐る恐るルイズのほうへと顔をやってみても見えたのは、自分が何をやっているのか、ということを思い出して体験したことないことに対して改めて体をこわばらすだけの少女しかいなかった。


「触るぞ、ルイズ………」
「あっ……うん…」
ふにふに
「んっ! ……むっ、むうっ!」


ふくらみをそっと手のひらで抑えた瞬間、今まで閉じていた目を開いて、ルイズはあわてて顔を離した。


「っと、大丈夫か? 痛かったか?」
「う、ううんっ…そうじゃない。驚いただけだから」


安堵の息を吐き、再びキスで唇をふさいで、再び動作を開始する。正直言って揉むほどないルイズの胸元だが、その柔らかさだけは本当だった。

初めてというべきか、久々というべきか悩むような状態のサイトは、ゆっくりと撫でるように手を動かしていく。その極めて緩やかなカーブを丹念にたどって、頂上を目指す。

ルイズ自身が自覚しているように、確かにボリュームには欠けている感は否めなかった。
だが、今まで高級なものばかり食べてきて、最上級の手入れのされたきめの細かい肌と、バストの中心でちょこんと存在を主張する乳首の感触は、サイトを今以上にその気にさせるのに十分以上に魅力的だった。


しゅにっ……しゅにっ…
「あっ…ふあっ…あっ! ああっ…んっ!」


思わず反射的にであろうが、ルイズの身体が硬くなるのを受けて、再びサイトは何とかせねばと口付けも再開する。

先ほど行った絡めあうようなものではなく、相手を安心させるような軽いものを何度もルイズの唇に降らせながらルイズの服を完全に脱がせていく。
女性の服の脱がし方など知らぬサイトが行うが故に、極めてゆっくりと動かされている手で緊張をほぐすかのようにうごめく感触で徐々に緊張がほぐれてきたのか、逆にルイズからも口付けを受ける。
その時分になって、ようやくサイトは別のところに片手を動かした。


(揉み続ければ少しはおっきくなるのかな?)


ルイズに知られたら間違いなく失敗魔法の爆発を受けるようなことを考えながら。
まずはルイズに背中を預けられていた自分の上半身にいまだへばりついている衣服をこっそりと脱ぐ。
ルイズに余計な刺激を与えないように、それでも脱いでいるのが分からないわけがないのでルイズが体を再び硬直させるが、パーカーはすでに自室で脱いでいたため薄手のシャツ一枚でそれほど片手でも手間ではなく、ルイズが静止する前にその作業を終わらせた。

それは、それなりの手間が掛かることだったが、無駄ではなかった。
それどころか、その行為はその手間以上の対価をサイトにもたらせた。


(やっぱやわらけ~~)
「あっ…ふあっ…あっ! ああっ…んっ!」


じかに伝わる体温と、肌の香りが自分も服を脱いでいったことで一層伝わってくる。
それを感じて一層熱心となった主の意思を受けて、その意思の伝わった両手によりゆっくりと手のひらで撫で回すうちにルイズの声と肌は徐々に熱を帯びていく。
乳首はもう、とっくにきゅっとすぼまって硬くなってくる。

預けられた背中が熱く柔らかい。じかにルイズの肌と触れ合うこととなったサイトの胸板はすぐにルイズの背から伝わる体温に熱せられて熱くなる。
シャツ一枚を取っ払っただけでこれほどまでルイズを近くに感じられるのか、と初めて本格的に触れる女体にサイトが感激の面持ちを見せる。

サイトが、反対の手をルイズの下肢に伸ばす。
そのころにはある程度覚悟が出来ていたのか、ルイズが体をこわばらせる程度も小さくなっていた。
呟くような、確認が取られる。


「そっちも……触るのね?」
「駄目か?」
「……ううん。サイトの……好きにして…」


本当は今すぐルイズに襲い掛かり、自らの下腹で猛り狂っているものを思いっきりつきこみたい衝動を必死で抑えて、サイトは今すぐ切れそうな自制心を必死でつなぎとめながら本格的なルイズの愛撫に移った。
勿論、いままで経験がない以上それは非常につたないものであったが、嫌われることを極端に恐れる少年は最大限の努力でそれを行った。頬を染めて羞恥を隠そうともしない彼女を快く想いながらも、左手を足の太ももからすっと爪先をなぞり、股関節へと迫る。


「あ……」


直接サイトの手が下着の中に入ってきて思わずルイズが声を上げる。身をすくめたルイズを見てサイトは手を止めたが、ルイズがそれ以上の反応をしないことを受けて、ちゅっ、と一度戻してルイズに見えるように掲げた人差し指に口付けをひとつ落として、再び進行を再開する。
手馴れた様子などまったく無いのに、少しでもこちらを安心させようとそんな気障な行動を取ったサイトのことを僅かに笑い、ルイズはサイトに身を預けた。
ゆっくりと、だけど抑えきれない荒々しさを僅かに残すその手によって、ルイズの秘芯がこね回され、秘窟がやんわりともまれる。いまだ未使用のそこは早々緊張を解いてはくれなかったが、サイトに触られているんだ、という事実はガンガンとルイズの脳裏を殴りつけ、高鳴る音が鼓膜の奥で痛いほど響いている心臓の鼓動は体の各所に血液を大量に送り込み、真っ赤に染め上げた。

水音が立つほどではない。
それでもサイトの指は、ゆっくりと湿り気に包まれていった。


「はっ! んんっ!」


小鳥の声でルイズが喘ぐ。
若干ではあるもののすべりがよくなってきたことを確認したサイトはいっそうその手の動きを押さえつけるのに理性を費やした。ふと力を抜けばルイズのことなど考えもせずに荒々しくそのうぶな地を蹂躙しようとする己の手を必死で制御する。
自分の中心は痛いほど強張っているが、ここでルイズの痛みを無視できるほどサイトは傍若無人でもなかった。やりたい盛りの高校生とは思えぬほどの自制心を持って、なんとか今までシミュレーションしかしていなかった行為をスムーズにしようと必死だった。


「あ……っ…」


 指先を軽く折り曲げて刺激を変える度、敏感に喉を奮わせて反応する。時折あげるルイズの小さな声に思わず理性の箍をはずしてしまいそうになりながらも、それをルイズと唇を合わせることでサイトは押さえた。


くちゅっ…
「んっ!!」


とろみを帯びてきた花弁をなぞりながら、サイトは徐々に徐々に指先を深く潜らせていく。

経験が皆無であろうとも、これが待ち望んでいた刺激であると本能的に察知したのか、サイトの手にルイズの下半身が控えめな物ながら押しつけられる。


サイトの行為を目を閉じて受けたルイズの震えは、いつの間にか止まっていた。


ゆっくりと瞼をあけた目の前には、遠い島国から来た一人の少年がいる。
戦士とも思えぬ華奢な体格に、柔らかな線ばかり残る幼げな顔立ち。
初見では、頼りない使い魔だと思った。役立たずだと期待を裏切られたような気持ちさえ持った。
でも、いつの間にかこの長いようで短い間に、共に過ごして笑い、泣き、共に危機を乗り越え、そうしている間に、いつの間にか、本当にいつの間にか心の中にこのサイトがいた。

甘く痛む胸の奥底ではいまだに少女時代の王子様の声が残るが、それを過去の思い出に変えるために、ルイズはそのか細い手をサイトの首にそっと回した。


「ルイズ……」
「サイト……」


ルイズとサイト。いまだワルドとルイズに対する思いを断ち切れないまま挑んだ二人は、いつしかそれも忘れてお互いに溺れていく。
サイトの手のひら全体が心なしか湿っている、そのあたりがサイトの限界だった。


「ルイズ」


口付けをひとつ落としてサイトはズボンに手をかけた。口付けに感じ入ったのか、今までのサイトの自習によるテクニシャンぶりに溺れたのか、はたまた雰囲気に酔ったのか、目元が蕩けているルイズはそのサイトの動作が何を意味するのか理解していないのか、ボーっと見つめている。
が、流石にそこからサイトのモノが出てきたときはびっくりしてまじまじと見つめてしまう。
そうしてたっぷり見た後、あわててはしたないといわんばかりに目をそむけるルイズにこちらまで気恥ずかしさを覚えてしまうサイト。流石にその様子をほほえましいと思えるほど熟練しているはずも無い。

それほど大きいわけではない、むしろ年齢的なものもあって日本人平均を下回るかぐらいのサイトのものであったが、そのときのルイズにはいかにも恐ろしげに見えた。
だが、そんな視線にもサイトは気付かない。恥ずかしさを乗り越えてもそのルイズの奥底に自分のものをつきたてることしか、今は考えられない。

荒い息でルイズに対して腰を擦り付けるその姿は、とても伝説の使い魔のようには見えないが、本人達はそんなことを気にしていられる余裕など無い。


「ま、まって! ちょっとだけでいいから」
「? どうした?」
「その……しちゃう前に二つお願いがあるの」
「二つ? どんなお願い?」


いきなりこんなことを言われて戸惑うサイト。彼はルイズのためならなんだってやるつもりではあるが、こんな状態でお預けを食らうのだけはゴメンだった。
だが、そんな心配は杞憂だった。
ルイズの願ったことは、とてもかわいらしい願いだったのだから。


「その、優しくして……私、初めてなんだから」
「うん、わかってる」


当たり前だ、とばかりに頷くサイトを見て、安心したようにルイズはほっと一息はいて、次の願いを口にする。


「それで、もう一つ……その…もう一度だけ、抱きしめてキスして」
「え?」
「……ダメ?」


その言葉に秘められた不安に揺れる彼女の思いをサイトが完全に理解したわけではない。
だが、その問いに対して否と答えることだけはありえなかった。


「そんなこと無いけど、それだけでいいのか?」
「うん……お願い」
「……わかった」


ゆっくりと瞳を閉じていくルイズに、精一杯の思いを込めて、優しくサイトは口付けた。
それが、本格的な二人の始まりだった。





もうしんぼうたまらんと、焦った動きで入り口をモノの先っぽで探し当てようとしているが、まったくもって手馴れていないサイトのそんな動作で上手くいくわけが無い。ましてや、ルイズも初心者なのだから。
そのままつるつると割れ目の上を滑らせるだけで一向に入っていかないことにサイトがあせり始める。手でナニをささえる、ということも熱を持った頭では考え付かないのか、力を入れて腰を押し付けていくその動作の最中で、偶然その頭がルイズの秘芯をつついた。


「ひゃぁ……」
「うわ…………あ、ここか……」
「ふわ、あ、あ、サイト……いきなり………そんなっ!」


ぶちゅり、と軽い水音を鳴らして物の先がスリットにもすすみ、浅くめり込んだ。
当てているだけでも先割れから熱がしみこんできてすぐにでも突き入れたくなる衝動が襲ってくるが、サイトはぐっと耐える。
何度もそこと秘芯を交互にノックすることでルイズが声を揺らめかせるのを聞き、ようやくサイトにも多少の余裕が出来たらしい。指で入り口をしかと確認した上で、ようやくそこに己のものを本格的にあてがう。

ふう、とその状態で深呼吸をする。
それを受けてサイトの下であえいでいたルイズも、ようやく本番がおとづれるのだ、ということを察したのだろう、息を呑む。


「いいか?」
「ちゅ、中途半端にするほうが痛いらしいから、一気に来て……」
「! ……わかった、行くぞ」


一応こういった行為も貴族のたしなみのひとつだ、今までツェルプストーに比べて遅れをとっていたぐらいだし、サイト相手なら文句も無い、と今まで知識だけで知っていたことに覚悟を決めてサイトに願いをかける。
それを受けて、サイトは一気に先端に体重をかけ、ルイズ自身を貫いた。
亀頭の先端にかぶさるようにしていた膣口が、男性器を貪欲に飲み込んでいく。

メリッ……ズチュッ!

「あっ! いたっ! 痛いっ!」


今まで十数年閉じられていた膣壁を無理やり押し開けるようにして、充血した亀頭がサイトの動きによって奥へ奥へと挿入されていく。
最初の一突きで中ほどまで飲み込まれたものの、ルイズは眉根を寄せて派手に痛みを口走った。


「―――――っ!!」


声にならない悲鳴が続く。
今まで遣ったことの無い器官を無理やり押し広げて何度も動かすことによって傷を負うことが破瓜の出血の主原因のひとつであるため、ゆっくりと、ゆっくりと慣らしていけば血が出ることも少なかったであろうにもかかわらず、間違った知識で一気に貫いたそれは、巷で言われるうわさのように派手に血をサイトのものに纏わせることになった。


(んっ……想像以上にキツイ)


そしてサイトはサイトでいっぱいいっぱいだった。
何せ「初めて」で「好きな子」で「生」なのだ。一介のエロ高校生が耐えれるわけが無い。
進入してきた異物に対して、男を知らないルイズの膣はきつく締まり、八方からサイトのものを締め付ける。
まだやはり異物を受け入れるには僅かに早かったらしい女性器は、痛いほどにペニスを締め付けてくる。

指を受け入れるだけで精一杯の窮屈な肉洞を、限界まで血液を送り込まれた肉棒がみっちりとふさいでしまっている。


強烈な力に思わず腰を引きそうになる。
だが、ここで引くことは何の意味もない。
終わりまでするためには結局のところもう一度トライする羽目になり、結果入れるときにルイズにとって更なる痛みを与えることになってしまう。
だから、とりあえず今の深さにとどまろうとサイトはルイズの細い腰に手を回す。


「大丈夫か?」
「うん、ちょっと……声が出ちゃっただけ」
「そっか……」


だが、どう考えてもちょっと、というレベルではない痛みが襲っている、ということをルイズの額に浮かんだ汗は如実に表していた。


「できるだけ早く終わらせるよ」
「ありがと……大丈夫だから…来て」
「ルイズ……」


目尻にうっすらにじんでいた涙を指でぬぐってやって、サイトは再び手に力を込めなおし、乏しい知識から何とかルイズに苦痛を与えないでやる方法を模索する。


「あっ……」
「それじゃ行くぞ、ルイズ。もう一度息を吸って、吐いてくれ」
「うん……すうっ……はあっ……」
(今だ……)


ぐぐ、ぐぐぐぐぐっ……

ズチュッ
今まで全くの未使用だった蜜壷を貫いて、とうとうサイトの先端が膣の最奥部をノックした。


「んっ! んんんんっ!」


二度目の進行で何とか根元までルイズの中に飲み込まれた。
ルイズは手の中にぎゅっとシーツを握った状態で硬くまぶたを閉じている。
サイトがふと下に目をやると、赤い破瓜の証が垂れていた。
痛々しげにそれを見つめるサイトに、ルイズが懇願する。


「全部……入った?」
「ああ、根元まで入った。さっきより痛いか?」
「だ、だいじょうぶ……ここまで着たら大丈夫だから…動いて」


呟く口元が、無理やりに笑みを作る。
小さい体で、がんばって痛みに耐えて。
サイトとしては、ここでやめるのには最大限理性を振るわねばならなかっただけにこの台詞は嬉しかった。
膣肉が想像をはるかに超えて柔らかいのと、淫液がそれなりに分泌されているおかげで、ルイズの痛みという要素を無視さえすれば、動くのは決して不可能ではない。
サイト自身にしてみれば、隙間なく包み込んでくるルイズの蜜肉は、相当の充実感を与えてくれるのだから。


「………じゃあ、動かすぞ」


抜き放って開放してやりたい気持ちをぐっと耐えて、サイトは腰を揺らし始めた。
今は傷つけることへの許しに報いることこそがルイズの気持ちに答えることだと信じて。


ずっ……ちゅっ…
「んっ…ふうっ…んぅっ!」
「くっ……うっ……」
ずっ…ちゅっ…ずちゅっ


三擦り半も行かずに終わりそうになるが、根元まで埋め込んだ己のモノは、きつくきつく締め付けるというよりもむしろ根元を絞られているかのごとくぎっちりと食い込んでいて、丹田あたりにたまっている若さの塊を出したいのに出てこない。
そのため何とかサイトは醜態をさらさずにすんだ。

だが、往復を繰り返すうちにルイズの体が痛みに慣れてきたのか、狭さはそのままではあるものの締め付けは穏やかになり、徐々にスムーズな抽出入に変化してくる。
もともとそれなりに濡れていたものに加えて、今は破瓜の血も加わって拘束が少し緩められただけで巨大な快感がサイトの中に流れ込んでくる。
それを必死でサイトは押さえる。いくらなんでもいきなりアウトはかっこ悪すぎる、といったサイトの見栄は、ルイズの表情を見て瞬時に消え去った。


「んっ……サイト、ちょっと……きつい」
「っと、悪い。ルイズの中が気持ちよすぎてつい」


ルイズの表情が苦痛にゆがんでいるのを見て、あわててサイトは今の正直な気持ちを彼女に告げる。
今やめることはかなり無理があるが、だからといってこのまま押し通すのもルイズが無理なのであれば我慢するしかない。
そんな未練が言わせた何の気なしのサイトの一言だったが、それを受けてルイズの表情からかなり苦痛が軽減される。


「んっ……気持ちいいの? 私の中」
「俺も初めてだから他のことは知らないけど、少なくとも俺にはかなり」


うれしいことを言ってもらえた。
それだけで、痛みが消えた気がする。

それを受けてルイズは許しの言葉を口にする。


「んっ……そうなんだ…なら、いいよ…」
「えっ?」
「サイトが気持ちいいなら好きに動いて……私なら我慢できるし、それにサイトがいかないと終わらないんでしょ?」
「ルイズ……」


無理しているのが明らかに自分でもわかっていながら、それでもそれを必死で押し隠してルイズはサイトに懇願した。
それを受けてサイトもここまで許してくれるルイズへの愛しさがいっそう募っていく。
肉欲と愛情を分けて考えられるほど、彼は汚れていなかった。


「大丈夫だから……ね?」
「わかった………ちゅっ…」
「あっ…」


無意識のうちにルイズの頬に口付けをした後、サイトは腰の動きを再開させた。

ずちゅっ……ズチュッ…じゅぷっ……ちゅくっ…ちゅぷ


打ち寄せる波の動きから、徐々に跳ね回るような動きへ。
ルイズも必死になってその細腰を小刻みに円を描くように動かすと、その中の膣肉も肉根を加えたまま、みっしりと蠢動した。
動かし続けるたびにルイズの入り口から天井、そして奥の一枚一枚の感触が絡みついてきて、サイトの脳裏を白く染め上げる。
決して肉付きはよくないもののルイズのすべらかな太腿と尻はさわり心地がよく、こちらの理性を狂わすかのように熱い。


「んっ! ルイズっ! んっ、俺、もう!」
「あっ! ああっ! ふあぅ」


サイトの一動作一動作によって染み渡るかのような痛みを受けていたルイズだったが、心の奥底では歓喜に包まれていた。



この痛みが、過去との決別の証なのだ。
この違和感が、忠誠への対価なのだ。

サイトは自分とが初めてだといった。
この瞬間、私こそがサイトの主になったのだ、と。
サイトに対する愛しさが爆発的に膨れ上がり、それに伴って未来の自分からサイトを奪ったのだ、という独占欲も一気に満たされる。虚無という力も、ガンダールヴが使い魔だという事実も今ならいっぺんの疑いも無く信じられる。
今なら、あの竜を二人で倒す未来まで鮮明に思い描ける。
ブラッドを召喚してから今まで包んでいた絶望を打ち払えるほど、この独占欲と愛情の入り混じった思いは強烈にルイズを突き上げた。


痛みが自分の選択を肯定する。
そうだ、サイトを信じるのだ。
サイトを信じて、二人で竜を倒すことこそが正しい答えだったのだ。
そしてそれを自分は選べたのだ。
彼に身をささげることで、自分の覚悟を決めるきっかけにしようとしたのは正しかったのだ。

疑いきれなかったワルドへの思いがゆっくりと薄れて消えていき、自分の体に夢中になってくれているサイトへの信頼が膨れ上がる。
己のうちに眠っている虚無への確信がいっそう強くなり、それがさらにサイトへの愛しさを募らせる。

サイトとワルドを天秤にかけたなんていえないため、言葉に出して確認できないその思いは、ルイズの心の中で乱反射してさらに増幅される。
自身にかけたギアスのようにそれはルイズの心と方向性を縛っていく。
それでも彼女は、それが正しいと信じて疑わなかった。

ああ、これならワルド様を……ワルドを疑える。
サイトを信じられる。

ルイズはこの瞬間、確かにサイトを愛していた。



そんなルイズの思いを知ってか知らないでか、サイトもルイズへの思いをいっそう強くする。この瞬間には、竜のことも、日本のことも、そして『ルイズ』のことも忘れて、高まる射精への欲求とともに自然と体が前へと進める。
ひときわ勢いよく突き入れられたとき、ルイズの奥を強くするつけたことで、サイトの先端に絶頂の痺れが訪れた。


「もう……でるっ!」
「ふあっ! ああ! 来て、サイトっ!」

ドクッドクッ! ドクッ、ドクッ!


想像以上にきつく締めあげる肉の圧力を感じながら、サイトは体を大きく震わせて、勢いよく中に精液を吐き出していった。


「あっ…あっ…出てる……サイトの熱いのが……」
(っ………とまらねえ……)


びゅくっ……びくっ…

体感的には五分近く、実際にはほんの数十秒がたつことで、ようやく脈動が落ち着いて、サイトの長い長い射精が終わった。
ゆっくりと、傷ついたルイズの中にサイトのものが染み込んでくる。


「ルイズ…」
「んっ…はああっ……………サイト…ふふっ」


こうして肉体的には激痛に包まれていたルイズであったが、そんな精神的な歓喜を受けながらサイトの脈動を己のうちで受け止めた。








中に出してしまった処理と、初めての痛みを治めるための、学園に入ることが決まったときに母から貰ったというこういう時用の水の秘薬を使っているルイズの背中を、サイトは見るともなしに見つめていた。


彼女をここまで追い詰めたのは、あの夜の自分の軽率さが原因だ、ということをサイトは正確に理解している。
彼女の前に自らが弱みをさらしてしまったがばっかりに、あの誇り高いルイズがこのような姿を己の前にさらしているのだ、ということを「ルイズ」という少女を誰よりも知る使い魔であるサイトは痛いほどわかっている。


だから………その代償としてまで深く考えての行動ではないものの、勇敢なる使い魔は心に誓った。
誰よりも愛しい少女のため、この万戦の左腕を血戦に沈めよう、と。


もはや敵を前にして迷いは無く、命を奪うことにためらいは無い。それらすべては、愛しい主が引き受けてくれた。
己にその身を捧げ、ちっぽけな心を包んでくれた彼女を害する悪なる竜を打倒するために、もう一度、もう一度この手を血色に汚そう、と。

この身は剣、この身は刃。
主の敵を、打ち滅ぼす従者なり。



こうしてサイトは、誰よりもやさしく、誰よりも愛しい主のために、己が身を血飛沫に汚そう、と誓った。たとえ、彼のやさしさゆえにそんな誓約なぞすぐに崩れ去ることになろうとも、この瞬間の誓いは本物だった。

そしてその誓いは、遠からぬ未来にて現実となることとなった。
かつての世界のことを忘れる、という呪いにも似たその誓いは。



その40へ

Comment

こんな決意を見せる二人なのに、当の本人であるブラッドさんは今日ものんびりだろうなあ……。圧倒的な強さを持つ竜って感じが出てて、実にいいですねえ

ふとした疑問なんですが、竜状態のブラッドさんをハルキゲニアの魔法で傷つけられるのでしょうかね?
確かミノタウルスの皮膚は鉄みたいな強度があって、風の魔法を受け付けないと聞いたことがあります。竜の鱗はその何十倍も強そうですし、ブラッドさんには火炎竜やら烈風竜やら水氷竜や電光竜の血も流れている訳で……
火もダメ雷もダメで風は威力不足だしゴーレムじゃ勝てないだろうし……。とてもじゃないですが無理のような
戦車の主砲なら小石が当たったぐらいのダメージにはなるのかなあ……? でもそれが通じるとなると、竜状態で転んだら大怪我になってしまいそうですよねえ

なんとも難しいですが、まあ設定上の話だけでもいいので、聞いてみたいなあと思うのです

サイトてめぇ……てめぇ、けっ!



>締め付ける肉の圧力を感じながら、サイトは体を大きく震わせて、勢いよくサイトの中に精液を吐き出していった。

サイト…おまえ器用だな

やっぱりサイトはクズな上にホモじゃないか(歓喜)
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プロフィール

基森

Author:基森
蚕鳴や円禍と名乗ってたこともあります。

主に小説・ssなどを置いているブログです。

自前の本棚を持つのは初めてなので手探りでやっている程度のものですが、わずかばかりの暇つぶしにでもなれば幸いです。


メールは「kulukku106☆yahoo.co.jp」まで、☆を@に変えた上でお願いいたします。

そろそろ、非営利にならトップへのリンクフリーとか言ってみたり。

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